66話 ページ17
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Br「Aちゃんはもう家に帰りたくない?」
『うん…』
Br「一応聞いておきたいんだけど、これからどうするとか決めてた?」
『ううん』
Br「………、あのね…」
Broooockは少しの沈黙のあと、静かに口を開いた。
Br「もし、Aちゃんが……」
『…?』
Br「……いや、やっぱなんでもない。ごめんね」
何か言いかけたのに、彼は首を振って取り消した。
ふと、きりやんさんの「ずっといるなら」という言葉が脳裏によぎった。なんとなくBroooockが言いかけたことがわかった気がした。
でも違う。そんなこと浮浪者の私に言わない。それにそんなのおこがましすぎる。
Br「ねぇAちゃん、これだけ僕と約束してほしいな」
『約束?なに…?』
Br「もう自分のこと投げ捨てるような真似しないで。もっと自分ことちゃんと見てあげてほしい」
『………無理だよ』
Broooockは私自身を大切にしてって言ってるんだ。たしか前にも言ってたよね。
いまさら自分こと大切に思ったりとか、見てあげることなんてできない。
だって、私は…もう……………
Br「無理じゃないよ」
『え…っ?』
Br「無理じゃなくて、Aちゃんはやり方がわからないだけだよ。自分のこと大切にする方法がわかれば、Aちゃんにもできるよ」
『方法って?』
聞き返すと、Broooockは顎に手を当てて頭を
Br「んっと〜…いざ聞かれると思いつかな……あっ!僕の真似すればいいよ!僕がAちゃんのことめっちゃ大切にするから、それ真似ればいいよ!」
『んん…?』
Br「こんな感じにさ、よしよし〜って」
Broooockの言ってることがわからなくて頭上にハテナを浮かべていると、大きな手のひらが頭を撫でてきた。
『自分で頭撫でるの…?』
Br「あ、いや違くて、こう精神的なね……あれ?なんか難しい?ん〜〜なんかこう、自分を甘やかすみたいな…うまくいえないんだけどぉ……とにかく!!Aちゃんはもっと自分を大事にして?素直になって、自分の気持ち出していいんだよ」
『素直…』
Br「ちょっとずつでもいいから。僕なんでも聞くから。なんでも話していいし、甘えてもいいんだよ」
難しいよ。難しいし、わからない。
Broooockがここまで私に構う理由が、一番わからなかった。
どうして、そんな一生懸命に、こんな私を……………
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作者名:おやすみこ | 作成日時:2022年2月24日 10時