34話 ページ35
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Side You
Broooockときりやんさんが帰ってきて夕食を取ったあと、私はまたリビングにいた。
今日の夕食も残してしまった…。
美味しいのは間違いないのだけど、やっぱりあまり食べることができない。 残しちゃった分はBroooockが食べてくれるけど申し訳ない。
…きりやんさんにいらないって言うべきかな。でも言い出しにくい……。
夕食を終えた三人はというと、各々自室に戻っていった。
撮影するとかなんとか。Broooockが部屋にいていいよって言ってたけど、きりやんさんが止めてた。たぶん邪魔しちゃいけないんだろう。
彼らの撮影が終わるまで、こうして大人しくリビングで待っているのだ。
Br「Aちゃん、Aちゃん」
『え、Broooock…？』
私を呼ぶ声に振り返ると、Broooockが廊下から顔を出して手招きしていた。
『終わったの…？』
Br「いや？トイレ行くって抜けてきたの。Aちゃん一人じゃ寂しいでしょ？やっぱり僕の部屋にいよ？」
『え、いや、あの……』
別に寂しくないけど…。
どうしたらいいか迷ってると、腕を引かれBroooockの部屋に連れていかれた。パソコンの前に置かれた白いヘッドホンから誰かの話し声が漏れ出ている。本当にまだ撮影中らしい。
Br「ここいてくれる？だいじょうぶだと思うけどしゃべったらダメね？」
Broooockは私をやけに大きなクッションに座らせ、口元に人差し指を当ててシーッと合図した。それにコクコクと頷いて応える。
Br「ん、いい子」
最後に私の頭をポンポンと軽く撫でて、パソコンの前に座った。
Br「たーだいま」
「———！！—く——った！」
「——い、———遅—な—して—」
「—ま——バ—った———ぞ」
Br「ごめぇ〜ん」
ヘッドホンをつけてしゃべり出した彼に、責め立てるような声が聞こえてきた。いっぱいいるみたいでわからないけど、聞こえてくる声的に一緒にやってるのはあの五人かな。きりやんさんとシャークんさんっぽい声も聞こえる。
『……』
少し後ろから楽しげに笑ってるBroooockの後ろ姿を眺める。ゆらゆらと揺れる肩は機嫌がよさそう。
時々こちらに振り返っては、ひらひらと大きな手を振ってくる。
最初は何も返さなかったけど、途中から軽く振り返すと嬉しそうに笑っていた。
撮影が二時間続き、終わった頃、リビングに行ったきりやんさんが私がいないことに気づき、Broooockの部屋に押しかけてきた。
きりやんさんの重たそうな拳が彼の頭に鈍い音を立てて落とされた。
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作者名：おやすみこ | 作成日時：2021年12月1日 0時
