2話 ページ3
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———ザッ、ザッ。
人生さえ手放そうと、目を閉じてから
少し遠くから地面を踏みしめる足音が聞こえてきた。それはだんだん近づき、私のそばまでやってくる。
「うわッ！なんだ……人？女か？」
「女の子がこんな時間にどうしたの？危ないじゃーん」
ケラケラと浮ついた調子の声が聞こえた。
顔を上げると、派手な格好の男二人に見下ろされていた。
「おっ可愛くね？」
「マジそれ。……アリだな」
軽薄そうにニヤニヤと気持ち悪い笑みを浮かべる二人。
私を上から下まで、舐めるような視線でじろじろと見ている。
「そんなに濡れてたら風邪引いちゃうよー？」
「俺ん家くる？あっためてあげよーか」
『……』
……放っておいてほしい。
私はもうなにもしたくない。
それに、この人たちとしてもお金もらえそうにないし。
なにも返答せず、再び顔を伏せた。
「ハァ？無視？」
「おいおい、人がせっかく優しくしてやってんのにそれはねーだろ！！」
『ッ！！』
ガッ！と腕を掴まれて、無理やり立たされた。
ちらりと見た男たちの顔は、ひどく不機嫌そうに歪められていた。
「もうここでやっちゃおうぜ」
「そうだな。じゃあ……」
一人は私の腕を巻き込み、後ろから押さえつける。もう一人は私の目の前に詰め寄ってきた。
抵抗できないように私を拘束した男たちは、
目の前の男が、腕を伸ばして私の服に手をかける。
……こうなったらもう、いいか…。
今思えば、すべて捨ててきた私に、もう何も失うものはないんだ。
残りは自分の人生だったけど、それも、もう捨ててるようなもの。
この人たちに襲われても、何も惜しむものさえないんだ。
『……』
すべてからシャットダウンするように、そっと目を閉じた。
?「ちょッ！！なにしてんのッッ！！！？」
突如、聞こえた怒号にパチっと目を開いた。
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作者名：おやすみこ | 作成日時：2021年12月1日 0時
