夜明け (ページ7)

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曇り空に虹がかかった日
柱合会議が開かれていた。

「ここ最近、妙な報告が続いていてね、
　人が消えているという情報が入るので
　隊士を向かわせるのだが、
　駆けつけた隊士によると
　鬼は既にいなくなっていて
　見つからないと言う。
　こういうことがもう3件もあった。
　皆もこのことについて聞いているかな。」

「はい、その情報は既に聞いていますが、
　詳しい事は分かっておりません。
　十二鬼月の可能性を踏まえて
　調査をしているところです。」

「うん、ありがとう。
　過去に類を見ない状況だから、
　慎重に調査を続けてね。」・・・・・・

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隣の山の麓での用事を済ませ
家に帰ろうとするときには
もう日が沈み切るところだった。

今日はどこかに泊まったほうがいいと
考えていると
不意に鬼の血の匂いが鼻を掠めた。
匂いをたどって走っていくと
どんどん濃くなる鬼の匂いとは別に、
藤の花の匂いがした気がした。

視線の先を目を凝らしてみれば、
何かが倒れているのを視界に捉える。
急いで近付けば、
そこにいるのは
大量の血を流した少女だけで
鬼はどこにも見当たらない。
鬼だけではなく、藤の花すらも。

自分の鼻を疑いかけた時、
少女の手に持つものに目がいった。

青い刀身の刀

それは紛れもなく
鬼殺隊の使う日輪刀で
ますます頭の中は疑問で埋め尽くされた。

とにかくこの少女を助けなければと
気になることについては
一度考えることをやめ、
先に止血をすることに頭を働かせる。

一通り応急処置が済んだところで
彼女を背中に背負った。
藤の花の家紋の家に行き先を変更しながら
自分の家でしばらく様子を見ようかと
ぼんやりと考えていた。

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