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義勇はその後すぐに初任務に行ってしまったが、
その表情は涙を流したことで
生気が少し戻ったようだった。

しかし、時間が経つのはあっという間で
それももう一年前の思い出として、
今は心の中にしまわれている。

次は私の番だ。
全ては、藤が狂い咲く山で生き残り、
鬼殺隊として多くの人の幸せを守るため。
私は走り続ける。

擦り傷、切り傷、まめ、打撲。
手も体も傷だらけだった。
けれどその傷よりも多い鍛錬のおかげで
なかなかできるようにならなかった
全集中の呼吸も今ではうまく扱えるようになった。
時々届く義勇からの手紙には
全集中常駐ができるようになったと
書いてあったので、私も練習しているところだ。

そして最後の関門。

目の前には大きな、大きな岩がある。
これにもう何度挑んだことだろう。
最初は全く斬れる気配がなかったが
毎日挑んでいたおかげで少しずつヒビが入り、
そろそろ斬れそうな気がしていた。


目を閉じて大きく呼吸をする。
肺を大きくして、
頭から体、腕、手の先、足と
体の隅々までの血管を
イメージしながら酸素を回し、
心拍数を上げていく。
すると背中がどんどん熱くなっていき、
筋肉が覚醒していくのがわかる。

目を見開くと同時に足に力を入れ
一歩大きく踏み出した。

刹那、振り返れば岩は真二つに斬れていた。







暗い森の中を駆け抜ける。
6回夜を明かし、7回目の夜を迎えた。
今晩を乗り越えれば
鱗滝さんとの、生きて帰るという約束を
守ることができる。
しかし、今目の前には強敵がいた。
気配がこの六日間で斬ってきた鬼とは全く違い、
明らかに強い異形の鬼だ。

「そのお面、鱗滝の弟子だな。」

この鬼は鱗滝さんに捕まえられたことを根に持ち、
その弟子を狙い続けていたのだという。

「特に印象に残っているのは、ふたり。
 1人は宍色の珍しい髪の色の餓鬼だなあ。・・・・・・」

それを聞いて一気に頭が熱くなり、
自分では抑え斬れない怒りに
目の前が染まった。
こいつのせいで、錆兎は・・・・・

顔に付けた狐のお面を触る。

「絶対許さない。こいつだけは必ず私が斬る!」


そこら中から迫って来る手を斬り落とし、
足に力が入るように呼吸を集中させる。



_____全集中 水の呼吸


速く、もっと速く。
手に追いつかれないように。


______参の型



一直線に首に向かって間合いを詰める!



____流流舞




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設定タグ:鬼滅の刃 , 冨岡義勇   
作品ジャンル:アニメ
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作者名:雨橙 | 作成日時:2022年1月18日 18時

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