送ってくれた ページ9
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タクシーがきた。
私がトイレに行ってる間に爆豪さんがお会計をしてくれていた。(イケメン…)
お金を出すも受け取って貰えず、｢黙れ｣って言われたので素直にご馳走になった。
｢お前タクシーは？｣
｢1台しか呼べず、私は近いので歩きます。｣
爆豪さんをタクシーに乗せて伝えると｢チッ｣と舌打ちと共に腕を引っ張られてタクシーに乗せられた。
｢え……｣
｢こいつの家までお願いします｣
｢あの…｣
｢早く住所いえ｣
爆豪さんに有無を言わせない圧をかけられた。
仕方なく私は家の住所を伝えると運転手さんはそこへ走らせてくれた。
｢お前の方が酔ってフラフラなのに気を使うな｣
｢……気づいてたんですね｣
｢他の女の子の代わりに呑んでただろ｣
｢ふふ、そんな所まで｣
タクシーが家の前に着く
爆豪さんはお金を払い私と一緒に降りる。
どうしてって聞くと運転手に1件しか寄れねぇって言われた。って言ってた
(申し訳ない……)
｢歩ける距離だ。気にすんな｣
｢すみません…ありがとうございました。｣
お礼を伝えて爆豪さんと別れて家に入ろうと鍵を探す。
酔っているのか中々見つかんない。
(酔うとよく見えない)
｢チッ、探してやるから貸せ｣
爆豪さんはまだ帰っていなかった。
(私が家に入るの待っててくれたんだ…)
この人は本当に優しい…
｢ほらよ｣
自動ドアの鍵を取ってもらい、鍵穴に入れようとしても上手く入らない。
こんなに酔うの恥ずかしい……
爆豪さんは笑いを抑えながら部屋の前まで送る。と言ってくれた。
高いヒールでふらつく私を支えながら、部屋まで送ってくれる。
アルコールの力とは強大だ。
支えて貰ってる腕がしっかりとしていて、｢…抱かれたいな｣なんて思ってしまうくらいには、どうかしている。
部屋の鍵を開けてもらい、家の前まで送ってもらった。
｢さっさと寝ろ｣
なんて言われて帰ろうとする爆豪さんの服の裾を引っ張ってしまった。
｢あ………｣
｢……………｣
咄嗟の事だ。
別に用がある訳じゃない。
爆豪さんが無言で私を見つめる。
その状況がかなり恥ずかしくて私はそっぽを向いてしまった。
｢チッ………煽るのうめーな｣
爆豪さんは私に聞こえるか聞こえないかの声量で呟き、服の裾を掴む腕を掴んだ。
驚きのあまり本人の顔を見ると、そのまま私と共に私の家に入ったのだ。
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作者名：ちゅん
| 作成日時：2021年6月13日 23時
