貴方の隣は私【HUNTER × HUNTER】 (ページ6)

今日:4 hit、昨日:2 hit、合計:665 hit

婚約者×淡々×友達ページ6

.

あの後、
すぐにキルアの部屋にやって来た。

キルア「………」

ぶすっとした顔で私を見るキルア、
何かしてしまったのだろうか？そう思っていると「なぁ」と話しかけられた。

『なに？』

キルア「…Aも暗殺一家なのか？」

『……あぁ、そういうこと。私は暗殺一家じゃなくて毒殺一家ね。基本的に毒を使うの』

キルア「毒殺一家…」

俺と同じ闇を抱えてると思っていたのに彼女は淡々と自分の生い立ちを話す。
何故こんなにも寂しい思いをするのかは分からない。

目の前に座る彼女は本当に綺麗で可愛い。
こんな子が平気で毒を作って人殺しをする、この現実が受け入れられないのだ。

キルア「俺と友達になってよ」

今度はAがビックリした顔をする、
友達とは…何なのだろう。

今まで出来た事がないからわからない。
それに私達は友達ではなく婚約者なのだ、友達じゃない。
けど…こんなにも胸がザワつくのは何故だろう。

『わ…私たちは婚約者同士だよ』

キルア「それでも友達になってもいいだろ」

『……それに友達なんて…出来た事ない』

キルア「俺もだよ。ずーっと暗殺を叩き込まれてきたからな」

初めて彼女が熱を帯びた顔をした。
今まではロボットかと思うくらいに無表情だったのに。

少しだけ胸が苦しくなった。
この理由を知るのはもっと先になるだろう

『分かった…なる。友達』

「宜しくな………A」

二人が友達になった。
その瞬間だった。

_________________________________

(今日もゾルディック家に行かなきゃ)

私は改良に改良を重ねて刺してから1.8秒で即死する毒を作った。
しかし中々1秒の壁が遠く難しい、

制作し、試作品はゾルディック家で使用してもらい意見を貰っている。

あの日、
キルアと友達になってからゾルディック家に行く事が増えた気がする。

少しだが気分も晴れ、
自分の心がポカポカしている。
その理由はまだ分からないが、私が楽しみにしているのだ。

試しの門を開いて中に入る。
ずっと屋敷まで進んでいると「ご挨拶させて下さい。」と言った女の子の声が聞こえてきた。

.