貴方の隣は私【HUNTER × HUNTER】 (ページ16)

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ハンター試験5 ページ16

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『久しぶりキル…っ』

喋り終わる前に思いっきりキルアに抱き締められた。
「何処にいたんだよ…」と苦しそうな声が聞こえてくる、こんなにも彼に心配をかけてしまったのだ。

ポンポンと彼の背中を叩く

『ハーヴェスト家の後継者の話をするね』

私はこの4年間の事をキルアに話した。

ほぼ外部との接触は不可、連絡手段もない。

毒と歴史と抗体の為だけの4年間だった事を伝えた
するとキルアが今にも泣きそうな顔になった。

これが普通なのにどうして泣きそうな顔をするの？
私の役目だから当たり前なのに、

どうしてキルアが辛そうなの？

キルア「友達が…婚約者が…大変な時に、ごめんっ」

『全然大変じゃないよ？だってこれがふつ…「普通じゃない！おかしいんだ！！」……キルア』

私の言葉を遮る彼に私は何が出来るだろう、
だってこれが普通だって教えられてきたの、

そのために死にそうになっても頑張って、
頑張って生きてきたの。

苦しくて沢山吐いても立ち上がってきたの。

それを普通じゃないって…言わないで！！

なら私の今までの苦しみや絶望は何だったの、
ねぇ…教えてよ！！！

知らぬ間に大粒の涙が流れ落ちている。
その涙に1番驚いたのはキルアだった、
泣いている、泣かしたのは自分だがなぜ泣いているのか分からない。

『キルア…っ、私の…私の苦しみをひていしないで…』

キルア「くるし…み？」

『普通じゃない、オカシイ、なんて……なら何のために私は苦しい思いして生きてきたのよ、』

キルア「……っ」

洗脳、
それは簡単に拭えるものなんかじゃない。

正しいと思って生きてきた人間にとっては尚更だ。
それを否定して苦しんでるって事はAは真っ直ぐに俺の言葉を考えてくれてるって事だ。

裏を返せばAを苦しめているのも俺だ。

だけど…Aには心から笑って欲しいんだ。

世界は広い、
そんな苦しくて暗い所でずっと生きなくてもいいんだ。

キルア「今は…分からなくてもいい。俺のそばに居て考えればいい。」

『…………』

キルア「Aが心から笑えるように俺が…守るから」

『考える時間が欲しい。』

キルア「あぁ、勿論だ」

Aはキルアのそばを離れた。
彼女の中で何かの歯車が壊れ始めた、

その瞬間だった。

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