貴方の隣は私【HUNTER × HUNTER】 (ページ14)

今日:1 hit、昨日:2 hit、合計:662 hit

ハンター試験3 ページ14

.

60kmを過ぎたあたりで脱落者が増え始めた。
私が追い越す度に「オバサンのくせになんて体力だ…」と負け惜しみを言っている。

負け惜しみを言うくらいなら死ぬ気で走ればいいのに

ずっと同じペースで走っていると嫌でも先頭集団に追いつきつつある。

「なーー！何であんなオバサンが体力続くんだよ！！すげぇな！！オイ！！」

そう言って叫んでいるのはサングラスをかけた半裸の男だった。隣の金髪の人は「失礼だぞ、レオリオ」と言って半裸の人を注意している。

レオリオ「そうだな、すまない。俺はレオリオって言うんだ」

クラピカ「私はクラピカだ」

『二人とも宜しくね、私は………』

ここで本名を言えば何らかの時にキルアにバレる可能性がある。

『私の事はヴェスって呼んで』

クラピカ「ヴェスだな、宜しく頼む」

レオリオ「ﾊｧﾊｧﾊｧ…っ！で、出口だ！！」

目の前には光が見える。
二人と一緒に階段を登りきると「やぁ！クラピカ」と言っている男の子の声がした。

目線をソチラに向けるとキルアと一緒に同じくらいの男の子が座っていたのだ。

クラピカ「あぁ、ここがゴールか？」

「違うってさ！！……横の人は？」

クラピカ「ヴェスさんだ。」

「よろしくヴェスさん！！俺はゴン！！」

『ゴン、宜しくね』

挨拶をしている時もキルアがずっと殺気を送ってくる。
殺気を送りたいのはコッチだ。

友達…が出来たのだろう。
キルアは私だけでいいのに。

ムスッとした顔をしていると｢ヌメーレ湿原、通称"詐欺師の塒"。二次試験会場へはここを通って行かねばなりません。騙されることのないよう注意深く、しっかりと私のあとをついて来て下さい。｣と試験官の声が聞こえた。

その注意喚起を受けている最中に｢そいつはニセ者だ！試験官じゃない。オレが本当の試験官だ！｣と茶番劇が始まった。

シュッとした音ともに試験官を名乗る男の顔に何かが突き刺さり、その勢いでその男は地面へと倒れていく。

刺さっているのはトランプだった。
刺したのは私のことを品定めしていた男だった。

(ヤベー奴いるじゃん)
思わず笑みが零れていると彼と目が合った。
「んふっ」と吐いた吐息と舌なめずりによりまた品定めされている。

『あー不快』

その言葉はキルアには届いていたらしく、
私を見る警戒心が少し柔いだ。

(何で…アイツが浮かぶんだ)

キルアの中で疑問が出た瞬間だった。

.