研磨と黒尾と私 ページ5
.
「なに考えてる、最近」
「………別に」
「隠しても分かるんだよ」
研磨は問い詰めるクロに視線を逸らす、
そしてゆっくりと「先輩と言うのは、一年とか二年早く生まれただけで、どうしてあんなに威張るんだろう」と言ったのだ。
(やっぱり、そう思ってたのね)
私は隣に座る研磨の手を握る、するとビクッと身体を揺らしながらそっと私を見たのだ。
『ごめんね、私がもっと手伝えば早く終わるよね』
「そういう意味じゃない、Aは俺より忙しくて沢山のマネの仕事してるの知ってる」
『………研磨、辞めないで』
「……………」
返事がない、
思わず少しだけほんの少しだけ泣きそうになっていると上から私の頭にポンポンと手が降りてきた、
そして「辞めんなよ。お前は鋭い観察眼を持ってるし、指示だって的確だ」とクロが言ったのだ。
その言葉さえも研磨は無言だ。
そんな研磨に「今の一、二年はお前の凄さを分かっている。お前は絶対チームを強くする。」と追い打ちをかけるようにクロが言った。
その言葉を真剣に考えている顔をしている研磨、
(私なんかの言葉よりクロの言葉の方が研磨に響いてる)
同じ幼馴染なのに少しだけジェラシーを感じてしまった。
二人だけの絆、みたいなの。
ずるい。
「A、ジェラってんな」
『二人だけしか分かんない感じやだ。』
「ははは、男同士の絆だ！なぁ研磨」
「……そんなの無いけど」
「研磨ー！！」
こんな日常を私達は大事にする。
きっと、私とクロが三年になって研磨が二年になったら音駒高校は変わる、
いい代になる気がする。
そう思った瞬間だった。
_________________________________
「次のキャプテン、黒尾でいいんじゃね？」
そう言いながら私の前に座っているのはやっくんこと夜久衛輔だ。あの日から早いものでインターハイが終わり三年生が引退したのだ。
焼きそばパンを「おやつ」と言いながら2時間目が終わったあたりで食べてるやっくんに『ひとくち』と言うと目の前に出された焼きそばパンにかぶりつく。
『やっくんはクロがいいと思う？』
「おう、俺が一番ふさわしいだろうがリベロはキャプテン出来ねぇしな！」
『ふふ、そうだね』
『なら副キャプテンは海くんかなー』なんて喋っていると「いいよ」と頭の上から海くんの声がした。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1454人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ピンス(プロフ) - この作品大好きです！！3周くらいしました！続き楽しみにしてます!! (3月12日 22時) (
レス) @page43 id: a7fb103bed (このIDを非表示/違反報告)
りんご - ちゅんさん» ありがとうございます！！ハイキューは映画をやったということもあり、再熱したんですよね！やはり音駒が一番好きです...！ (3月12日 20時) (レス) @page43 id: bdd9411b02 (このIDを非表示/違反報告)
ちゅん(プロフ) - りんごさん» コメントありがとうございます！！作者は単純なので褒められたらすぐに更新してしまいます！！笑、これからもよろしくお願いします！！ (3月9日 6時) (レス) @page42 id: 7cfd562139 (このIDを非表示/違反報告)
りんご - 勝手ながらこの小説を読ませて頂きました！凄く面白く、多彩な表現に圧巻されました！続きを少しでも早く見たいです...！無理ないペースで小説作り頑張って下さい！ (3月2日 22時) (レス) @page41 id: 9455041bfd (このIDを非表示/違反報告)
ちゅん(プロフ) - ほたるさん» わー！！打ち間違いの指摘ありがとうございます！！すぐに直します！ (2月19日 8時) (レス) id: 7cfd562139 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ちゅん
| 作成日時：2023年10月29日 14時
