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4話 ページ5

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「A………」

『竜胆…ごめんね、帰るから』



お店から出る。
そこでタクシーを捕まえて家までの道順を伝える。



(あぁ、もう空っぽだ)



タクシーの中で涙は止まらない。
嗚咽と共にすすり泣く声はタクシーの運転手に申し訳ない。

タクシーの運転手のおじいちゃんは、カーテンを閉めてくれた。自分から私が見えないようにだ。

優しい。
今はその優しさが嬉しくもあり、辛くもある。


とめどなく溢れる涙の止め方を私は知らない。
止まれと思う気持ち、それよりもこんなに好きだった人との別れを悲しむ気持ちの方が勝るのだ。



ごめんね、蘭

こんな弱い私が愛してごめんね。

無責任に愛してごめんね。



















______________________






家に入る。
そこには蘭との思い出が詰まっている。



全ての場所に君の面影があるんだ。

どこに行ったって君の姿が見えるんだ。



(今もあの女の人といるのかな)







『本当に自分から手放してても未練がましい奴』





泣くのをやめて立ち上がる。
ココは蘭の家でもあるから私が出て行かなくちゃ。





色んなところにある自分の私物をカバンに詰める。
蘭との思い出の品が沢山出てくる。


(こんなにも沢山の思い出が私達にはあったのね)






リビングのテーブルの上に2人のペアリングを置く。

「コレは蘭ちゃんのモノっていう証だから捨てたり、無くしたりすんなよ」



突然ペアリングを渡す彼に私は不思議に思った事がある。
けど、理由は分かっていた。


これには発信機が埋め込まれている。
だから昨日の場所も分かっていたんでしょ。


そして君はきっと私が家にいる事に安心しているよね。



〈俺から離れられない〉 きっとそう思いながら。






『蘭…私も人であり、気持ちもあるのよ。いつまでも今のままじゃいられないの』








指輪を置いて家を出る。
私はこれから普通に生きる。

貴方を思って生きる事をやめるよ。




だって、私の気持ちも全部蘭が壊したんだから。










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設定タグ:灰谷蘭 , 東京リベンジャーズ , 東リべ   
作品ジャンル:アニメ
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ATR214YS(プロフ) - 完結おめでとうございます! (2021年12月13日 3時) (レス) @page14 id: 5cda5f5352 (このIDを非表示/違反報告)
みくる(プロフ) - めっちゃ泣きました……。やばいくらい素敵。大好きです…… (2021年12月8日 1時) (レス) @page9 id: af4838d834 (このIDを非表示/違反報告)
ちゅん(プロフ) - あさん» ありがとうございます。私も読んでもらえて好きです!笑 (2021年12月7日 0時) (レス) id: 0def8a4c4f (このIDを非表示/違反報告)
- めっちゃ好きです…… (2021年12月6日 23時) (レス) @page6 id: c53e6fc030 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ちゅん | 作成日時:2021年12月6日 0時

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