9話 ページ10
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『貴方が別の女に入れ込んだからよ』
「_____仕事だ」
『仕事でも私にとっては嫌なの』
『これから何度もそんな事をされるなら別れるしかないでしょ?』と言えば蘭は傷ついた顔で私を見る。
なんでそんな顔で私を見るの?
傷ついたのな私なのに。
「_____別れたくない」
『無理よ、蘭がこんな仕事をするのなら私は続けられない』
「俺の事が嫌いになった?」
弱った彼は今までのどの彼とも違う。
自信がなく、儚く、脆い
こんなに弱った蘭を見るのは初めてかもしれない。
『嫌いよ』
「_____そうか、もう駄目なんだな」
お願い蘭、
もう私の事は忘れて、振り返らないで
貴方なら大丈夫、上手く幸せになって
(嘘よ、愛してる、大好きよ、)
無責任に愛してごめんね
(例えどこに居たって愛してる、大好きよ)
「分かった、今までありがとう」
彼は立ち上がってリビングの扉を開ける。
「さようなら」と呟く、「またな」ではなく「さようなら」と。
きっと部屋を出てしまえばもう私達が交わることは無い。
私は歩き出してリビングを出る。
すれ違った時に「君はもう自由だ」と言われた。
あぁ、なんて愚かなのだろう。
涙が溢れて止まらない。
泣くな、泣くな。
こんな弱い姿を彼に見せるな。
(蘭…例え、どこで生きていたって君が好きだよ)
私が玄関先に行くとリビングで「好きだ…」とつぶやく彼、また彼は私に〈呪い〉をかけるのね。
その〈好き〉で私を縛るのね。
『幸せだったよ。ありがとう』
思い出の詰まった扉を締める。
歩き出す私は足がふわふわしている、地面に足が着いていない。
『永遠に……愛してる』
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ATR214YS(プロフ) - 完結おめでとうございます! (2021年12月13日 3時) (レス) @page14 id: 5cda5f5352 (このIDを非表示/違反報告)
みくる(プロフ) - めっちゃ泣きました……。やばいくらい素敵。大好きです…… (2021年12月8日 1時) (レス) @page9 id: af4838d834 (このIDを非表示/違反報告)
ちゅん(プロフ) - あさん» ありがとうございます。私も読んでもらえて好きです!笑 (2021年12月7日 0時) (レス) id: 0def8a4c4f (このIDを非表示/違反報告)
あ - めっちゃ好きです…… (2021年12月6日 23時) (レス) @page6 id: c53e6fc030 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちゅん | 作成日時:2021年12月6日 0時