95話 ページ8
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「オレは…愛していない。」
『うそ…なら何でそのネックレス付けてるの…』
「っ…」
いつもそうだよね。
キミは嘘をつく時に必ず目線を逸らす。
ずっとキミを見てきたから分かるよ。
『私の事を愛してなくてもいい…けど死なせない!』
グイッと持ち上げようと力を入れるが持ち上がらない。むしろ反対に自分の身体がズルズルと落ちていくように滑っている。
ガラスによって切れる腕から血が流れてマイキーくんの顔にかかる。
「やめてよ……なぁ、やめてくれ……」
『い…やだ!』
「頼むよ…なぁ………っ」
『愛してるの…万次郎、大好きよ、』
身体の半分以上が窓から乗り出した。
もう時間もない。
私は最後まで彼を助けれなかった。
「っ……てる」
ふと彼が何かを呟いた。
私は彼の顔を見つめ直すと大粒の涙を流す彼が居た。
「愛してる……っ、ずっとだ…っ!!」
『っ……万次郎……』
「オマエ以外いらない…Aだけだ…ずっと、昔から…オマエが居ればいい……っ」
『……やっと聞けた……これからはずっと一緒だよ、離さないから』
もう力が抜ける。
身体がずり落ちる。
そう思った時にはガシッと背中が誰かに掴まれた。
そして万次郎の手も掴まれている。
「キミ達は生きて…生きて謝らなければならない人が沢山いるだろう!!!」
掴んだのはタケミっちだ。
彼が私たち二人を掴んで持ち上げようとしている。
「2人は……ドラケンくんに…三ツ谷くんに…東卍の皆に…謝らなければならない!!…心配させてごめんね?って!!!」
『タケミチくん……』
「こんな所で絶対死なせない…っ!!!!」
タケミチくんと一緒にマイキーくんを持ち上げようとするが、彼は銃で撃たれている。
力が入らず持ち上がらない。
「______頼むタケミっち…Aだけ引き上げてくれ…」
『嫌だ!!!万次郎も一緒に…っ!!』
「うるせえぇぇ!!!2人とも助ける!!万次郎1度でいいから〈助けてください〉って言えやぁあああ!!」
その言葉を聞いた瞬間
万次郎の目から涙が溢れ出した。
そして「助けてくれ…タケミっち」と言って彼と握手をした。
その瞬間
私たちの身体は落下し始めた。
タケミチくんの意識がない。
きっと未来へタイムリープしたのだろう。
『過去の私……タケミチくんを守って、手助けしてね…』
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しおらん(プロフ) - 凄く大好きです。原作沿いでとてもストーリーが素晴らしいです。スノーとの関係も凄く切なくて、マイキーとは本当に幸せになってほしいです。三ツ谷も好きですがやっぱりマイキーですね。これからもとても楽しみにしています! (2022年5月22日 23時) (レス) @page12 id: d42d8a020d (このIDを非表示/違反報告)
麗(プロフ) - 一旦休止、番外編、どちらも良いと思ってしまいます。番外編も気になりますが、一旦休止として主様のお休みなさる時間も必要なのかなと、、愛読しているお話なので悩んでしまいます。完結まで主様について行く気しかないのでどちらの結果になっても私は全然大丈夫です! (2021年10月5日 22時) (レス) @page12 id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
さーちゃん(プロフ) - この作品大好きです!番外編希望です!無理のない範囲で…よろしくお願いします! (2021年10月5日 21時) (レス) @page12 id: 0f057880a5 (このIDを非表示/違反報告)
リア - 私としては、番外編の方を希望します。作者様が無理をする事はやめてくださいね…! (2021年10月4日 22時) (レス) @page12 id: 7480b8ed6f (このIDを非表示/違反報告)
m.m(プロフ) - 続きが気になって仕方ない!!! 3作目おめでとうございます!更新されること楽しみに待っています。無理はなさらないでくださいね。陰ながら応援しています! (2021年9月30日 1時) (レス) @page9 id: 3fdf1c252a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちゅん | 作成日時:2021年9月17日 17時