【＃コンパス】氷砂糖のようなーDIARYー (ページ5)

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4欠片ページ5

「誰って.....零夜でしょう？」
「.....バレた」

零夜でもこんな子供みたいなことをするんだ、と少し驚いた。

「それは何だい」
「これは魔導書だよ。ソーンのとはまたちがうけどね」

ふうん、と暫くそれを見つめた後、彼は私の隣に座った。
私は構わず魔導書を読み続ける。

.....というのも、こうやって構わないでいると、零夜がとても面白いのだ。

普段彼の好き放題にされている分、私も少し意地悪をしたくなるのだ。
これくらいは許される。.....はず。

「.....」

つんつん、と私の腕をつついてくる零夜。
彼は甘え下手というか、素直に言葉にしないところが面白い。

多分、今はめちゃくちゃ甘えたいんだと思うのだが。

このまま様子を見るとしよう。

「.....A」
「何？」

変わらず魔導書を読み続ける私にしびれを切らしたのか、名前を呼んでくる。
そしてぎゅ、と服の裾を掴んできた。

「..........A.....」
「どうしたの」

「.....ぎゅってしても、いいかい？」

.....断れないのが私の性分。
ようやく魔導書を置き、私は彼に向けて両腕を広げた。