【＃コンパス】氷砂糖のような (ページ48)

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氷砂糖47つページ48

「あ～つっかれたあ.....お！Aじゃん」

「ああ、アタリ！丁度良かった、お茶でも如何？」

「おー有難く頂くわ！」

私はポットに入ったハーブティーを用意する。

今まではこんな優雅な飲み物とは無縁だったけどな、なんて無邪気に笑うアタリ。

今日はレモングラスにしてみた。
なんだか.....気分が落ち着くから。

もとからこのハーブティーは好きだったけれど、最近何故か増々好きになった。

「.....！悪い、用事を思い出したからまた今度な！」
「え？あ、うん」

急にアタリが行ってしまった。
どうかしたのだろうか.....

「.....僕も貰ってもいいかい？」
「っひゃあ！？.....び、び、びっくりした.....」
「人の顔をみて驚くなんて.....失礼じゃあないか」

そう言いつつも笑っている零夜。
私は彼にカップを用意し、ポットに入ったハーブティーを注ぐ。

「.....覚えているかい？僕が本当に初めて、君に会ったときのこと」

バグを操っていた犯人も消え、完全にバグが消去されたことにより、消えていた記憶も戻ってくることになったのだ。

「.....勿論。」

「君は僕より先に来ていたけど...初めて僕に会ったとき、このハーブティーを淹れてくれたよね」

「......そうだったね」

零夜は今使っているカップを自分の目線の高さまで持ってきて、じっと眺める。
何を考えているのか、まだ読みとれない。

「僕はその時.....純粋に嬉しかったんだ」

普段の仏頂面というか、ポーカーフェイスとは打って変わり、優しい笑顔で微笑む零夜は綺麗だった。

「それに.....」