氷砂糖42つ ページ43
『待っ.....』
..........
氷漬けになったバグの発明者は、voidollによってそのまま解析室へと転送された。
「コノ仕組ミヲ解析スレバ、二人ハスグ二ヨクナリマスヨ。」
その言葉を聞いて安心したのか、アダムはへなへなとその場に倒れこんだ。
.....まあ、そうだよね。
自分の妹と弟が危ない目にあってたんだもん。
僕もリリカちゃんが大変な目にあったら.....ルルカちゃんがいるからそれは無いかな?
「.....残りも終わったみたいよー!Aとソーンはジャンヌが診てるから大丈夫よ!」
きららがさらにアダムを元気づける。
二人はまだバグが残っているみたいだけど、最悪の事態.....
.....二人を抹消することは防げた。
「ほら、早く二人のとこ行こう?もう感染する可能性は断たれたみたいだからさ」
「.....ありがとうございます」
僕たちは後処理をvoidollに任せて、情報ステーションから出た。
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皆が安堵したのも束の間。
.....まだ二人が目を覚まさないから。
ジャンヌによれば、僕たちがバグ.....の原因であるウイルスを駆除した時、体からウイルスのようなものが出てきた.....という。
普段なら13とかが「はあ?そんなん見間違いだろ?」なんて言ってあしらうような話だが、今はそんなことを言っている状況じゃなかった。
流石の13も意気消沈というか.....彼なりに心配している。
.....一番大変そうなのが、零夜とアダム。
心配やら悲しみやら後悔やらが、彼らの中でいっぱいいっぱいになっているんだと思う。
.....ひょっとして、零夜って.....
まあそんなことはどうでもいい。
今は二人の安全を.....
「.....皆さん!!ソーンさんが目を覚ましました!」
「!!!」
「皆、早く!」
皆が急いでソーンが眠っていた部屋に行く。
彼はまだ本調子じゃないようだったが、最初よりはかなり元気そうな顔をしていた。
「.....ありがとうございます.....皆様にご迷惑を.....」
「ソーン!.....無事でよかった.....」
アダムがソーンを強く抱きしめる。
「兄様....心配かけてごめんなさい....」
「お前が無事でよかった.....」
もうみんなの前など関係ないのだろう、アダムは涙をながした。
「.....姉様は、目を覚ましましたか」
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作者名:夜蒼空 | 作成日時:2020年3月29日 14時