氷砂糖34つ ページ35
Aが目を覚まさない。
その知らせを聞いて、僕はとても嫌な予感がした。
「.....Aは」
「.....零夜、さん.....」
扉を開けると、ベッドのわきにソーンが座っていた。
目がひどく腫れている。
夜通し泣いていたのだろうか。
他のヒーローも絶望感に包まれている様子で、ただ座っている。
.....僕が彼女の傍にいたところで、何の役にも立たないじゃないか。
辛い。
僕は.....人一人守ることができないのか?
可哀想に。
彼女の弟は何も知らない。
どうしてこうなったのか。
どうしてこんなことになってしまったのか。
何も見えない絶望感からの涙。
.....でも僕は、違った。
「...............君は、守ろうとした」
「.....」
「彼女が.....いずれ思い出してしまうことは観測済みだったよ」
「.....」
「しかし.....僕が余計なことを言ったせいで、それがトリガーとなってしまったみたいだね」
「.....貴様」
「でも、安心して」
「.....?」
「.....もう一度、僕たちが犯した過ちを.....再現するのさ」
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作者名:夜蒼空 | 作成日時:2020年3月29日 14時