検索窓
今日:36 hit、昨日:20 hit、合計:48,275 hit

氷砂糖32つ ページ33

ぐらり。
視界が暗く歪んだ。

「あれ.....おかしい、な」

そういえばさっきの出来事だけでなく、不思議なことが幾つかある。


夢でうなされていた私を起こしてくれた、ジャンヌの温もり。

ふにゃりと笑うリリカの笑み。

.....零夜の手の感覚。


どれも.....
どれも、「過去に体験したことがある」。

そんなはずはない、のに。
頭にたくさんの情報を流し込まれているような、変な感覚に陥る。

私は.....
ここに来たことがある?
それとも、ただの思い込み?


『......もし僕が、前にも君の手を取ったことがあると言ったら......どう思うかい?』

あれが冗談じゃなかったとしたら。
零夜はほかの世界線の私だけじゃなくて、この「私」にも会ったことがあるのだろうか。

「来たことがある」「そんなはずはない」

私の中で二つの意見が飛び交い、段々わけがわからなくなってきた。
何を信じればいいのか。

「.....」

ぼうっと自分の手を見つめてみる。
青白い、温かみのない手。

でも感覚はある。覚えていられる。









私は、私自身の感覚を信じることにした。





--------


「.....私は............」

手に汗がべっとりとまとわりつく。
なぜか心臓がバクバクとうるさい。

.....まるで、「言うな」と言われているかのように。

「.....A?」

兄さん。わからないよ。

兄さん.....
兄さん兄さん兄さん.....!


「.....本当に、私なの?」

氷砂糖33つ→←氷砂糖31つ



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (41 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
75人がお気に入り
設定タグ:零夜 , アダム=ユーリエフ , ソーン=ユーリエフ   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:夜蒼空 | 作成日時:2020年3月29日 14時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。