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氷砂糖31つ ページ32

「あーもー、なんでAこんなに強いのー!?もう一戦よ、もう一戦!」
「Aおねえちゃん強いよ〜」
「これでもう五戦目だよ.....」

闘争心に目を輝かせるきららに、私は苦笑いをする。
コクリコに誘われたからやってみたババ抜きだが、私はすでに四連勝していた。

あまりババ抜きなんてやらないから断ろうと思ったけど.....
未だにきららヴィオレッタ、メグメグたちによる「女子力アップ講座」なるものは続いていて、そのお礼.....みたいな感じで参加させられたのだ。

「ほら、トランプ混ぜて!行くわよ〜.....」

負けず嫌いなのか、彼女は負けじと目を見開いてカードを見つめていた。


---------

「あ〜!!!また負けたーっ!!」

なんだかんだ七戦目までやった私たち。
コクリコは五戦目が終わったあと眠ってしまった。

大人げないが、こういうゲームで手加減をするのは面白くないと思う。
きららは七連敗したのが悔しいのか、私に聞いてくる。

「めちゃくちゃ強いじゃーん!多分あーしの癖とか完全にバレてるしー.....」

きららはババが手元に来ると、目がある一転に集中することがある。
大体はババがない方向に目線がいくのだ。
.....まあ、かなりわかりやすい。

「なんでそんなにあーしのこと詳しいわけー?.....あ、もしかしてあーしのファン!?」
「あ、あはは.....」

申し訳ないけど、彼女の配信.....とやらはまだ見たことがなかった。
というか、電子機器の扱いにまだ慣れていないのだ。
否定するのはかわいそうなので、曖昧な笑みだけ返す。

「いっけない!もうこんな時間!?そろそろ配信しなきゃー!ありがとねAー!」
また一緒に遊びなさいよ!という声が遠くに聞こえる。
私は彼女に手を振りながら見送った。

「.....確かに、なんであんなにきららに詳しいのかな.....」

静かになった談話スペースで、私は一人考える。

無意識のうちに頭が理解していて、「きららの癖」というものが目の前に鮮明に見えてくる、そんな感覚。
まるで前にも遊んだことがあるような.....









.....前、にも?

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設定タグ:零夜 , アダム=ユーリエフ , ソーン=ユーリエフ   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:夜蒼空 | 作成日時:2020年3月29日 14時

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