【＃コンパス】氷砂糖のような (ページ24)

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氷砂糖23つページ24

「A、貴方昔よりも機敏に動けていたじゃない」
流石は私のライバルだわ、とマリアが褒めてくれる。
私は右手で頭を掻き、照れ隠しをした。

ルールについて一通り聞いた後、私たちはお試しバトルというものをして戦った。
蒼チームは私たちユーリエフ三兄弟、紅チームはマリアとまとい、リリカ。

「僕が倒されそうになった時、姉様のおかげで助かりました......！」
「ああ、俺がヘイトを集めていた間に二人も倒してくれたしな」

二人が称賛の言葉をくれる。
最近はこれといった任務も任されることがなかったので、ずっと書類仕事続きだったのだが......

なんとか足手まといにならずに済んで良かった。

「ポータルキーを守りながら態勢を守ってるの凄かったよ......！」
「ああ、あたいの不意打ちフルークもきちんと読んでたしねぇ....初めてであれは凄いよ！」

負けたのは悔しいけどね、とリリカとまといが付け加える。
この二人は本当に素直で、お世辞や媚びで物を言う人じゃないんだろうな、と思う。

あ、そうだ！

「バトルに付き合ってくれたお礼....と言ったら何だけど、折角だから皆にハーブティーを淹れてあげるよ！」
「え！いいの？嬉しい！」
「偶にはお茶以外も飲んでみようかな！悪いね、A！」
「あら、楽しみだわ」

兄さんとソーンも、心なしか嬉しそうだ。
マリアがいるのが兄さんは気に食わないみたいだけど。

ちょっと待っててね、と五人に声をかけ、ラウンジに向かう。

どうせなら一人一人違うものを淹れてあげよう。
この間新しいハーブを買ったんだった......バタフライピー......だっけ。
あれ発色が綺麗なんだよな......少し飲んでみようかな。

そんなことを考えているうちに、ラウンジへとたどり着いた。
私が扉を開けると、そこには一つの人影があった。

「......零夜？」