【＃コンパス】氷砂糖のような (ページ23)

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氷砂糖22つページ23

「本当に似合ってるわねA！」
「A、とてもよく似合ってるぞ」

同時に言った二人は少しの間睨みあったが、私が慌てている様子をみてすぐに私に向き直る。

「......ここでは思う存分楽しみなさいよ、A」

本来なら憎き敵国の女王だというのに、この人には安心感がある。
今は戦う必要がなくなったからなのか、マリアは私にも優しく接してくれる。

兄さんもただ単に毛嫌いしているのでは無く、良きライバルとして彼女と接しているみたいだ。
やっぱりこの人はすごい人だ......と改めて思う。

「ありがとう」
「ふふ、私は用事があるからまた後でね。戦えるのを楽しみにしているわ」

マリアはそう言い、先に何処かへ向かった。

「全く....一体何処から湧いて来たんだ....A、食堂に行こうか。ソーンが待っているはずだ」
「うん！」

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「あ、おはようございます姉様....わあ！新しいお洋服とても似合っていますよ！」
「おはようソーン....ふふ、ありがとう。兄さんとマリアさんには感謝しきれないよ」

ソーンはすぐに私の服に気が付いたようで、とても嬉しそうな顔で褒めてくれた。
その声を聴いたのか他の住人も集まってくる。

「すごい、可愛い......！」
「少しパーツを変えただけでこんなにも可愛くなるのね......」

朝食を取りながら皆と話していると、voidollが食堂に入ってくる。

「Aサン、ソロソロバトルノ時間デス」

そっか、今日からなんだね！というリリカの声に頷き、使い終わった食器を返却してから兄さんとソーンと一緒にチュートリアルルームへ向かう。

ヒーロー一人ひとりに配られる専用端末に届いた私についての情報は、昨日のうちに目を通したから覚えている。

ここでは私の得意技、アイシクルモーレを発動するのに専用の魔力が必要になり、バトル中はその魔力を溜めきらなくては発動できなくなってしまった。

そのほかにも得意なのは遠距離攻撃だとか、バトル中に使えるのは氷柱で攻撃するための魔力か近距離魔法に限られているとか......

ダミー人形を用いりながら二人(とvoidoll)にカードの使い方などを教えてもらい、なんとか戦い方を学ぶことができた。

「......アタッカーなのに後方支援が得意、か....」

ヒーローのロールを決めるのはその人の現実世界での様子が反映されるらしいが、私によく見合っている....気がする。

よく女だからと前線に出させてもらえなかった。

....これが私の戦い方、か。