【＃コンパス】氷砂糖のような (ページ21)

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氷砂糖20つページ21

食堂では、ルチアーノとヴィオレッタ以外全員が酔いつぶれていた。
なんだか......複雑な気分。

今夜は残った二人と未成年組、辛うじて起きてこれたグスタフで片づけをし、酔いつぶれた人々は放置して風呂に入ることにした。
少なくともあとで兄さんは起こさなきゃ......一番手ごわそう。

片付けの最中、何度か零夜と目があったが目を逸らされてしまった。
......そこまであからさまだと傷つくな......

「Aー、こっち終わったわよ！」
「あ、じゃあ皆でお風呂いこー！ほらほら、皆も準備してしてー！」

私がコクリコちゃんを、アタリがソーンを起こし、大浴場へと連れていく。
そうして大浴場に着いた私たち。

そう言えば何気に大浴場くるの初めてだな......
しかも同性の友達とお風呂に入るなんて、これまで経験したことがない。
小さい頃はあこがれていたので、今願いが叶って少し嬉しい。

顔に出ていたのだろうか、メグメグに「なにニヤニヤしてるのー？」とつつかれてしまった。

「......てかA！！めっちゃ美人じゃーん！もとから知ってたけどね！」
服を脱ぐなりメグメグにそう言われる。
美人なんて言われるのは初めてで、謙遜よりも歓喜の気持ちが先に湧き上がってくる。

「そうよ、せっかく元がいいのに......男装なんか辞めちゃいなさいよ」
もうそのつもりなんでしょ？とヴィオレッタが言う。

バレてたか......

「ふっふーん！ならあーしがとっておきのメイク、教えてあげる！ヴィオ姉は服、メグメグは髪型！どお？」
「「了解！！」」
「え、え、ちょっと三人とも............」

「Aおねーちゃん、かわいくなるの？コクリコたのしみ！」
「デルミンも応援してます」
「私も応援しますね！」
「リリカ、私たちも手伝おうよ！」「うん！ルルカ、頑張ろうね！」
「カッコいいAも好きだけど可愛いAも見たい斬りたいけど斬れない」
「ノホ、そいつは少し怖いな......あたしに手伝えることがあるならなんでも言ってくれよ！」

「......ご、ご指導よろしくお願いします......」

この日から毎晩、Aに対する女子力アップ講座(？)が行われることとなった。