氷砂糖1つ ページ2
「さっきね、とってもかっこいい人と話したの」
皆が思い思いの事をしているラウンジで、不意にリリカがぽつりと呟いた。
「何何、メグメグも聞きたい聞きたいー!」
「あら、どんな方だったの?」
銃器の手入れをしていたメグメグ、楽器の調律をしていたヴィオレッタが興味を示してリリカに問う。
「リリカも会ったことない人だったからよくわからなかったんだけどね......」
ーーーーーーーーー
(どうしよう......
アップルパイを作ってたら、マルコスくんとの約束の時間過ぎちゃった......!
早く謝らなきゃ、急......)
「きゃっ!」
(このままじゃ転んじゃう...........!)
思わず目を瞑ったが、暫くしても痛みは伝わってこない。
「......大丈夫ですか?」
頭上から降ってきた優しい声。
聞いたことの無い声だ。
「................えっ!?」
声の持ち主と目が合った。
顔がひどく整っていて、とてもドキドキする...........
「あっ、ありがとうございます!」
この体勢に耐えきれず、ぱっと離れてしまった。
「お怪我はありませんか?」
「は、はい大丈夫......です......!」
(す、すごくかっこいい人.....!)
そうですか、と優しく微笑んだ目の前の人物は、ふと思い出したかのようにリリカにこう聞いた。
「そうだ......管理人室の場所を知りませんか?
ここに来るのは初めてでして......」
ーーーーーーーーー
「へえ......ってことは、ここのヒーローではないんだね」
まといは話を聞き終えたあと、ふむふむと納得するように言った。
「でさでさ、その人どのくらいイケメンだったのー!?気になるー!!」
メグメグが急かすように聞く。
どのくらい、か......
リリカは思わず苦笑いした。
「そうねえ......じゃあ、その人の特徴は?瞳の色とか、髪色とか......」
マリアが助け舟を出した。
(あ、それなら答えやすいかも。)
「んーっとね、なんて言えばいいんだろ......黄色くて綺麗な目をしてて、なんか....ものすごーくさらさらで綺麗な銀色の髪をしてて......」
「えーっ!なにそれなにそれ、イケメンの予感しかないじゃんー!」
きららが思わず大声で言う。
周りの女性陣も確かに、と頷いた。
「......あれ?そんな感じの人いたような気が......」
デルミンが一人首を傾げる。
「......おや、こんなところに。リリカさん、マルコス殿がお呼びですよ......
......どうかなさいましたか?」
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作者名:夜蒼空 | 作成日時:2020年3月29日 14時