伍拾壱話 ページ6
莉犬side
心臓がドクドク言っているのがわかる。
雰囲気が誰かに似てるって思ったけど、るぅとくんに似てたんだ。今更になってそれに気がついた。
な「事情はわかりました。ですが今、るぅとくんは僕達と兄弟として、家族として生活してます。ここで安直に決めるべき事ではないかと」
兄ちゃんがそう言った途端、ハルさんは弾けるように立ち上がってなーくんの肩を強く掴んで前後に振った
ハ「じゃあるぅとを呼んできてよ!本人がいるならいいでしょ!?アンタは家族ヅラして大事な息子を死ぬまで黒鬼と戦わせる悪魔よ!そんな奴に息子を預けてたまるもんですか!」
莉「ハルさん、落ち着いてください!」
なーくんが悪魔なわけないじゃんか。
何よりも家族を想って、誰よりも弟想いの心優しい自慢の兄ちゃんなんだ。
悪魔じゃ、ない。
ハルさんを落ち着かせようと肩に手を置き、話しかけたけど、勢いよく振り払われちゃった。
ハ「あんたも同じよ!何が神子。何が白鬼特殊部隊。ふざけんじゃないわよ!あんた、人の子をなんだと思ってるのよ!」
そう怒鳴るハルさん。
でも次の瞬間、荒い息を整えながらもう一度席に着いて『すみません、取り乱してしまって』と小さく謝ってた。
その声になーくんが口を開く代わりに、広間のドアがゆっくり開いた。
ジ「お言葉やけど、人の事言われへんと思いますよ」
ジェルくんがハルさんを睨みながらそう言った。続いてころちゃんが止めようとして部屋に入ってきた。
ジ「男に言われたからってるぅちゃんほかしたクセして、今度は返してほしい?虫が良すぎるんとちゃうか。あんたこそ人の子をなんやと思うてますん?」
な「ジェルくん」
なーくんが静かに、威厳を持ってジェルくんの名前を呼んだ。『すんません、言いすぎました』とジェルくんがハルさんに謝った。
ハルさんを睨みつけたままだったけど。
な「すみません、この状態で冷静に話が出来るとは思えません。また日を改めてお話ししましょう。本日はお引き取りください」
なーくんが柔らかくハルさんに言った。
『ならばせめて会わせてほしい』とごねるハルさんを説得して帰させる。
覗き見してるるぅとくんに気がついたハルさんが駆け寄ろうとしたのをなーくん止める。
さとみくんがるぅとくんを連れて行ったのを見て力が抜けたのか、ハルさんは急に大人しくなって帰って行った。
なんか悪いことしちゃったな。
でも、どうするのが正解だったんだろう。
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スイートポテト丸 - 緋桜ひよ子@ミスキャト黄色担当さん» ありがとうございます!!なるべく早めに参章入りたいと思ってるのでしばしお待ちください(๑˃̵ᴗ˂̵) 良いお年を! (2021年12月31日 22時) (レス) id: dc85d54b13 (このIDを非表示/違反報告)
スイートポテト丸 - 朱莉@すけふれさん» ありがとうございます!そろそろ莉犬くん編の最終調整に入りますので一月中旬ぐらいから再開予定です!お楽しみに! (2021年12月31日 22時) (レス) id: dc85d54b13 (このIDを非表示/違反報告)
スイートポテト丸 - ごりらさん» ごりらさん!ありがとうございます!!尊敬…!?え、めっちゃ嬉しいです… (2021年12月31日 22時) (レス) id: dc85d54b13 (このIDを非表示/違反報告)
緋桜ひよ子@ミスキャト黄色担当(プロフ) - スイートポテト丸さん» 第弐章、完結おめです!!莉犬君の過去編待ってます!!よいお年を(*^-^*) (2021年12月31日 11時) (レス) id: a44667decb (このIDを非表示/違反報告)
ごりら(プロフ) - とっても面白いです…、。尊敬…。 (2021年12月31日 1時) (レス) @page50 id: 0c5c330aa8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:スイートポテト丸 | 作成日時:2021年9月3日 22時