伍拾話 ページ5
さとみside
この時代にも英語があるってなんなの。
普通英語の授業ってさ、日本語ありつつの英語多めって感じじゃん。
全部英語なの。わかるわけねえじゃん、俺日本人だし。だから英語の成績が先生から見たら異常なまでに下がったらしい。
よって補修プリントという素敵な贈り物をいただいた。
現在進行形で舌打ちをしながらプリントを片付けてる。
こ[さとみくん、聞こえる?]
急にころんが脳波共有をよこしてきた。
集中してきた所だったのに…ムカッとしながら返す
さ「どした、どうでもいい事だったら切るからな」
でも帰ってきたころんの声はびっくりするぐらい深刻そうな声色だった
こ[今、るぅとくんのお母さんが『息子を返して欲しい』って来たんだ]
さ「は?るぅとの母親って…俺たち、兄弟じゃ」
そこまで言って気がついた。
違う。
令和ではそうでも、
ここの世界での俺らはそうじゃない。
こ[気がついた?僕達、本当の兄弟じゃないんだよ]
そうだ、るぅとも、ジェルも、兄ちゃん達も、
俺らは血の繋がりが無い。本当の兄弟じゃないんだ。
そう大正世界の俺の記憶が言っている。
前から知っていたはずの事なのに、どうしてか衝撃を受けて固まっているところんが続けた。
こ[ついさっきるぅとくんが帰ってきちゃったんだ。女の人に見つからないように僕の部屋に居てもらってるから、何かあったらさとみくんよろしくね]
さ「…わかった。でも、そんなに見つかったら不味いのか?」
こ[うん、あの人るぅとくんを見つけたらどんな手を使っても連れ帰るタイプだよ、多分。じゃあ切るね。ジェルくん放置して来ちゃったんだ]
それでころんとの脳波は切れた。
もう補修プリントどころじゃない。
無造作にプリントをカバンに突っ込んでソファに座った。
ころんの部屋と俺の部屋は隣同士だから、るぅとに何かあれば助けに行くことができる。
ころんもそれを狙ってるぅとの部屋じゃなくてわざわざ自分の部屋に連れてきたんだろう。
それにしても、血の繋がりが無い事を今更突きつけられるなんて思わなかった。
大正の俺も本当の兄弟だと思って過ごしてたんだろうな。
考えた事もなかっただろう。
いや、正しくは
『考えないようにしてた』の方がいいのか。
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スイートポテト丸 - 緋桜ひよ子@ミスキャト黄色担当さん» ありがとうございます!!なるべく早めに参章入りたいと思ってるのでしばしお待ちください(๑˃̵ᴗ˂̵) 良いお年を! (2021年12月31日 22時) (レス) id: dc85d54b13 (このIDを非表示/違反報告)
スイートポテト丸 - 朱莉@すけふれさん» ありがとうございます!そろそろ莉犬くん編の最終調整に入りますので一月中旬ぐらいから再開予定です!お楽しみに! (2021年12月31日 22時) (レス) id: dc85d54b13 (このIDを非表示/違反報告)
スイートポテト丸 - ごりらさん» ごりらさん!ありがとうございます!!尊敬…!?え、めっちゃ嬉しいです… (2021年12月31日 22時) (レス) id: dc85d54b13 (このIDを非表示/違反報告)
緋桜ひよ子@ミスキャト黄色担当(プロフ) - スイートポテト丸さん» 第弐章、完結おめです!!莉犬君の過去編待ってます!!よいお年を(*^-^*) (2021年12月31日 11時) (レス) id: a44667decb (このIDを非表示/違反報告)
ごりら(プロフ) - とっても面白いです…、。尊敬…。 (2021年12月31日 1時) (レス) @page50 id: 0c5c330aa8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:スイートポテト丸 | 作成日時:2021年9月3日 22時