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───冷たい。身体が痛い。意識が朦朧とする。ここは夢か、幻か。あるいは
「A様！大丈夫でしたか！」
「咲夜、そんなに大きな声で話さなくても聞こえてるし、私は大丈夫よ。」
少女は呆れたように言う。少女からしたら大したことは起きていないのだ。
「やはり私も同じ班にいるべきでした…。お怪我はされていませんか？」
「うん、話聞いてた？大丈夫だと言ったでしょう？」
「やはりお怪我をされたのですね？今から確認しますから、服を脱いでください。」
「いや、だから話を聞きなさいよ。怪我してないわよ。しかも脱がすなこんなところで。脱いでって言いながら既に手がかかってるのはなんなのよ。」
「えーとカメラは…。」
「この変態駄メイド！」
「きゃん！」
「なんで嬉しそうなのよ。」
拳を振り下ろした少女は露骨に嫌な顔をした。
「でもAサン頭に石ぶつけられてたよねー？」
「おいやめろ。そういう余計なことを言うと…。」
「頭に石を！？お守りできず申し訳ございません。この十六夜、たとえA様がその衝撃のせいでこれ以上馬鹿になろうとも、一生ついて行きます。ご安心ください。」
「忠誠を誓うフリして馬鹿にしてるんじゃないわよ。私お前より頭良いわ。しかも私は正確にはお前の主じゃないわ。」
「分かりました。お仕置きに私を踏んでください。」
「何がわかったの？話を聞かない上にHENTAIなんだけどこのメイド。もうヤダこいつ。解雇しようかしら。」
「それはお嬢様の許可が必要ですわ。」
「コイツ、すぐには確認が取れないことをいいことに…。」
「やっぱ1位は神崎か…。」
「まぁ、嫌いな奴はいないわな。」
「なんか面白そうな話してるわね。」
「私はレミリアお嬢様一択ですわ。」
「でしょうね。」
「意外とAも順位高いんだな。」
「あいつはあんまり惹かれる要素ないはずなのに、何故か魅力がある…気がする。」
「確かに。」
(そりゃ吸血鬼だからね。向こうからしたら疑問でしかないだろうけど。)
「足音が近づいてますわA様。」
「ちょっと隠れておきましょう。」
「A様が恋バナ好きだとは思いませんでしたわ。意外と乙女なんですね。」
「他人の恋バナほど面白いものは無いもの。」
「理由はゲスかった。」
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作者名：夜桜 | 作成日時：2020年10月10日 18時
