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「班…?」
「修学旅行の事じゃないですか?」
「あぁ、忘れてたわ。咲夜は決まってるのかしら?」
「えぇ。結構前に誘われてましたわ。」
「あら、友達が多くていい事ね。」
「誘われてないAサンはぼっちって事だねー。」
「私は群れる必要なんてないもの。」
「はいはい。負け犬の遠吠え。」
「どうしようこの赤髪殴りたくなってきた。」
「Aさん!班決まってる?」
「まだ決まってないわ。」
「そっか。じゃあ私達と一緒の班にならない?」
「ええ、もちろん。にしても私を誘うなんて茅野さんも変わり者ねぇ。」
「哀れだと思われたんじゃない?」
「咲夜、そこらへんに金属バットとかない?」
「ええ、ここに。」
「Aさんなんか怖いことしようとしてない?」
「ふふ。冗談よ。」
「一人一冊です。」
「辞書だろこれ!」
「これ事前学習要らなくない?ま、邪魔なからデジタル化して原本は置いてくけど。」
「えぇ?私達普通車なの?」
「そうみたいですね。」
「成績優秀者は優遇されるなら学年一位のこの私も優遇されるべきじゃない?」
「諦めましょう。何言っても無駄ですよ。」
「まぁ、そういう学校ってことで諦めるか。」
「に、してもイリーナ先生のあの格好って何がまずかったの?」
「さぁ、私にもさっぱり。」
「みんなの飲み物買ってくるけど、何飲みたい?」
「あぁ、私も行くわ。」
「それなら私が…。」
「いいから咲夜、貴女はそろそろ自分の班に戻りなさい。」
「あ、御免なさい。」
少女はもう一度、振り返る。何か嫌な予感がするのは気のせいだろうか。
「どう?神崎さん、日程表見つかった?」
「うーん。」
「神崎さんはまじめですからねぇ。独自に日程をまとめていたとは感心です。でもご安心を。先生の手作りしおりを持てば安心です。」
「その辞書もって歩きたくないわよねぇ、普通。あぁ、そうだ。これあげるわ。」
「えぇ?でもAさんのなくなっちゃうよ?」
「それタブレットの電池切れた時用の予備だから大丈夫よ。私がまとめたやつだから足りない内容あるかもしれないけど。班一緒だし多分なんとかなるんじゃないかしら。」
「そっか。ありがとう。」
「気にしないでいいのよ。」
「次は八坂神社ですね。」
「ええ。」
「えー?もういいから休もう?京都の甘ったるいコーヒー飲みたいよ。」
「飲もう飲もう!」
「…。」
「そんな警戒してどうしたのAサン?もしかしてビビリ?」
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作者名:夜桜 | 作成日時:2020年10月10日 18時