天女と魑魅魍魎の主Part4 (ページ15)

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「地ならし」にのまれた侍の伝説ページ15

そこには名前はさだかではないが非常に君主に忠実な若い侍がいたという

勤勉でよく働き何より君主定盛を心から尊敬していた

その若い侍は

やがて定盛の目に留まり

定盛もその侍のことをしんらいして大層かわいがったという

腕もたった侍は瞬く間に出世していき

いつしか．．．

定盛の片腕と呼ばれるようになった

清継「それが邪魅だ！そいつが邪魅になるんだよね～神主さん！！」

神主「むう．．．」

巻「話のコシおんなよ！！知ってるからってウッザッ！！」

だが．．．

その侍を良しと思わん者がいた

定盛の妻である

彼女は何をするにも一緒な二人の仲の良さが気に食わんかった

カナ「え．．．？妻が部下に嫉妬したんですか？」

神主「そういうことだね」

カナ「？」

そんなことあるの？

神主「封建社会ではおうおうにしてそういうことがあったんだよ．．．まぁ中学生には分からんだろう」

巻「ＢＬっすかぁ？」

清継「なにそれ！？」

神主「当時のことばで衆道ね。少なくとも妻にはそう見えたんだろう」

嫉妬した妻は君主のいない時にいわれのない罪をきせ

侍を屋敷の地下牢に閉じ込めてしまった

その時だった

海沿いにある

この街を大津波が襲ったのは！！

後に「地ならし」と呼ばれたほどの大量の海水

町の者はほとんど高い丘にのがれたが地下にあった屋敷の牢は瞬く間に海水がなだれこみ

若い命を散らせてしまった

それ以来この街ではさまよう侍の霊がたびたび目撃されるようになる

鳥居「．．．」

清継「水にまみれ風に紛れ」

神主「邪魅と呼ばれる妖怪が．．．生まれたんだ。邪魅というのはうらみをかった人間を喰う妖といわれている．．．この地には．．．まだうらみをかった大名家の血筋が残っている！」

清継「え．．．！？ということは．．．まさか！？」

神主「そう．．．つまり品子ちゃんはその大名家．．．秀島藩藩主「菅沼定盛」の血筋。その直系に当たるんだよ！」

品子「．．．」

氷麗「．．．あ」

リクオ「そうか．．．」

清継「知らなかっただから襲われてたんだ！！」

神主「この神社はその霊魂を鎮めるために出来たんだ」

清継「なるほど．．．だから表に”邪魅落とし”の看板が出てたんですね」

神主「そうそうよく見てるね」

リクオ「？」

品子「そんなこと言って！！全く効かないくせに！！」

鳥居「品子ちゃん．．．」

品子「もうたくさんよ！！鎮めるって一向にいなくならないじゃない！！」