夜桜の散る中に…【小説Ver.】

違う。《瑠飴》 ページ8

「……桜歌お姉?」


梅ちゃんにマフラーを巻いてもらった後、私は桜歌お姉の所に出掛けた。


お姉の良さを知らない奴等にお姉が罵倒されるのが大嫌いで大嫌いで仕方なかった。


『璃音……?何でここに___』

「お姉のこと迎えに来た」


そう言うと桜歌お姉はふわりと笑って私の頭を撫でてくれる。


ああ…あったかい。


「月影少佐!!!!」


…うるさいのが来た。


「何を怠けているんだ!!とくにお前だお前!!椎名璃音!!!!
少しは真面目に仕事をしたらどうなんだ!?」


桜歌お姉の表情が曇る。


「……仕事はしてます。
そう、仕事はきっちり、やる分やってから休息を取ってます。

………何も知らないくせに口出さないでくれます?」


そう言うと男の顔が逆上する。


「子供に言われてそこまで逆上するんですね。
ホントにお前ら大人はくだらねーな。
精々神とやらに祈っといてくださいよ。
私は神なんて信じないけど。」

『璃音、行こうか。車イス押すよ。』

「ありがと、お姉。」


酷い顔をする男を見て清々した。
お姉をいじめるのが悪い。


「お姉」

『ん?』

「意地悪されたの?」

『いつもと同じだ』

お姉は溜め込んじゃう。
私に出来ることは…とりあえずあの男達からお姉を守らなくちゃ。

___大事な人を守らなくちゃ。

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