努力家な隊員[ロキ] ページ6
___誰もいないはずの森に、ざわめきの風が吹き荒れる。
「んー! ここならいいっスね!! 思いっきり�能力�が使えるっス!!」
腰に鉄パイプを巻きつけている少年は、皮の太い手で鉄パイプに触れ、逆の手で巻いていたテープのようなものを解いていく。
あたり一面に風が吹き荒れる。まだ昼だというのに、彼の周りは薄暗く、まるでやらを思わせる雰囲気だ。
…もちろんそのはず、ここは『立ち入り禁止区域』。この少年、威風堂小松の故郷だからだ。
「よーし、いくっスよ!」
彼の�能力�耐久は、その名の通り、自身の指の肉球で触れたものを5分間強度にするものだ。
威風堂はイマイチその力の使い方に慣れていなかったため、このように隊員達や隊長方に内緒で出向いているのである。
まずは持ってきた鉄パイプの耐久度を上げ、まずは木を殴りつけてみる。
「アレぇ……イマイチっスね……」
その後もいろいろ試してはみたが、いい結果は得られずに終わる。
「やっぱり、オレの力じゃどうにもできないんでしょうか……」
威風堂の�能力�は、使い方は地味ではあるものの、下手をすれば同じ隊員達を殺しかねない。まあ、悪く言えば皆も同じであるが。
「そういえば…稲荷って今どうしてるんっスかね……?」
稲荷とは�夜桜災鬼撲滅部隊�の一人で、その中で一番仲が良い友人である。
彼はゆういつこの場所を知っている人物。その為、彼も特訓に誘ったのだが、「良い官能本を見つけたんだ。…いふーくんも見る?」と逆にお誘いを受けた為、丁重にお断りをした。
「キャハハハハハハ」
「何者っスか!?」
誰もいないはずの森から突然笑い声が聞こえてくる。それも複数。威風堂は地面に置いている鉄パイプを手に握る。
本来ならば仕込み刀があるのだが、今日は『特訓』ということで持ってきていなかった。
「もしかして! 災鬼っスか!? だったら容赦はしないっス!! �夜桜災鬼撲滅部隊�の隊員として!!」
「キャハハハハハハ」
「な、なんなんっスか…さっさと姿見せてくださいっス! それは卑怯っスよ!」
敵味方関係なくフェアな関係でいたいという願望のある威風堂にとって、戦いに隠れるなどあってはならない。
「早く帰って、稲荷に特訓の成果。見せるんス!! そっちがその気なら満足はするまでやってやるっスよ! 覚悟っス!!」
そしてもう一度、ざわめきの風が吹き荒れる。
バケモノと呼ばれる軍人〔夜狐〕→←”真面目”な隊員〈モモハ〉
4人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
詩学音丸(プロフ) - 更新終わりましたー! (2018年10月10日 12時) (レス) id: b3b81574c1 (このIDを非表示/違反報告)
詩学音丸(プロフ) - 更新させて頂きます! (2018年10月10日 12時) (レス) id: b3b81574c1 (このIDを非表示/違反報告)
瑠飴 - 夜狐さん» 了解です! (2018年10月8日 20時) (レス) id: 015f09e847 (このIDを非表示/違反報告)
夜狐(プロフ) - 瑠飴さん» 大丈夫ですよー、以後気をつけてくださいねー (2018年10月7日 13時) (レス) id: dee1d215ab (このIDを非表示/違反報告)
瑠飴 - 夜狐さん» アッアッごめんなさい忘れてました() (2018年10月7日 13時) (レス) id: 015f09e847 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ