夜桜の散る中に…【小説Ver.】 (ページ11)

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クズな隊員〔朱鬼〕ページ11

「はぁぁぁぁ…」

思わずため息が出る

めんどくさいなぁ
帰りたいなぁ

さっきからずっとこんな事ばかり考えるけど時間は一向に進まない

「(お昼はさっき食べちゃったしなー。なんかいい感じの飲食店ないかな)」

まだ真っ昼間なんだから災鬼なんて出ないでしょ
なのになんで警護なんてしなきゃいけないのか
僕だって軍人とは言え、人なんだから休暇くらい欲しいってー

…なんて言えば、あの鬼みたいな隊長に怒られるんだろうなー

はぁ、ヤダヤダ
熱血とか疲れるし、真面目なのも疲れるし

もう夜まで家に帰って部屋に籠ろうかな
あ、でも前に彼女が隊長に連絡して強制的に連れ戻されたんだっけ
彼女って仕事サボると、途端に厳しくなるからなー
ま、そこも彼女のいい所なんだけどね

「あ、おばちゃーん。この肉まん、10個ちょーだい。あとそっちのたい焼きを5個と、羊羹を3本ね。あ、羊羹は切らなくていいから。全部紙袋に入れてくれたらいいよー」

わぁ、おばちゃんすごい驚いてる

ま、それもそうだよね
僕って見た目もやしだもん
よく皆に何処にそんなに入るんだーって言われるし

「はいこれお勘定」

買ったものを全部紙袋に入れてもらい、食べ歩きしながら警護をする

あ、でも僕の場合は散歩に見えるか
軍服なんて堅苦しいだけだし、着物とかのほうがよっぽど動きやすいし楽だし
なーんで皆して同じ格好しなきゃいけないのかわかんないんだよねー
皆一緒なんてつまんないだけなのにね

「…？」

後ろを振り返る
が、誰もいない
違うな、誰もいないって言ったら語弊があるな

僕の敵(災鬼)はいない

今のは明らかに殺意だ

「…さて、どうしようか」

このまま警護(と言う名の散歩)を続けるか
本部に戻って武器を取ってくるか

「ま、それは夜になったら考えるかな」

僕は考える事を辞め、散歩(警護)を再開した

大量に買った肉まんを食べながら