学校初日 ページ2
.
『よーし、着替え終了』
初めて袖を通した雄英の制服。
グレーを基調としたそれは
俺の体にぴったり馴染む。
『すーはー……よしっ』
新しい制服の匂いを胸いっぱいに吸い込む。
そして小さく意気込んで、おそるおそるリビングへ。
扉をゆっくり開ければ
Qs班の皆がお出迎えしてくれる。
『ど、どう、かな？』
「おおお！Aくん似合っとるの〜！」
「かっこいいね！」
「サマになってんじゃねぇか」
才ちゃんも、とーるくんも、吟くんも、
それぞれ褒めてくれるからなんだか照れくさい。
あとは。
『ねねっ、久生くん、どーかなどーかなっ』
視線を逸らす彼の前に回り込む。
「…………はやく行ってこい」
ぶっきらぼうにそう言うと頭をわしゃわしゃと
撫でてリビングを出ていった。
『ふへへ、』
滅多に褒めてくれないから、嬉しくなって
目の前に花が舞っている(比喩)。
「Aちゃん、随分と顔面緩んでるぞい？」
『あっごめん！嬉しくてつい。というか
才ちゃん、ちゃん付は辞めてね！？』
「あ、ゴメンゴ☆」
『許す！』
まあ、可愛いから許すけど。
まあ、才ちゃんだから許すけど。
.
「ほらA、もう出ないと間に合わないぞ」
『！、アキラさんっ』
茶番を繰り広げていると、
リビングの扉に凭れる彼女。
それを見つけた俺は彼女に突撃
(という名のハグ)をしに。
「っと。お前もハイセと一緒でハグが好きだな」
『？、確かに好きなのもありますけど、
ハグは挨拶だって貴将さんが言ってましたよ？』
「あの人は、全く…」
大きなため息を吐くアキラさん。
でも背中をぽんぽんと叩いてくれて。
「お前も、なんでも信じ込むんじゃないぞ」
『大丈夫ですよ。俺が信じるのなんて
一部のひとの言うことだけですから』
ぱっと彼女を離してクインケと鞄を持つ。
「Aくーん！準備出来たー？」
『はいっ、今行きますね！
じゃあ行ってきます』
丁度ハイセさんに呼ばれたので、
アキラさんを一瞥して玄関へ向かった。
.
＿＿＿ 少し遅れて、新生活。
.
(『お〜桜満開だね』)
(どんな学生生活になるのかな)
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 103人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
柑子露草(プロフ) - 美弥華さん» 美弥華さん、ありがとうございます！コメントをいただけたのが嬉しすぎたので更新できるようにしていきたいと思います(*´ω｀*) (2018年10月6日 10時) (
レス) id: 2c1d1c28c2 (このIDを非表示/違反報告)
美弥華 - 続きが出るのを待ってます！更新頑張ってください！ (2018年10月3日 0時) (レス) id: ce48ce5dac (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：柑子露草 | 作成日時：2016年7月12日 20時
