赤く、アツい、狂った夜を

CRAZY 10 ページ10

何気なくセンラさんとうらたさんのやりとりを見ていて、こんなもんなのかと微妙な気持ちが湧き出て来た時。私は耳を疑った。今、センラさん、なんて？一緒に暮らすと言わなかったか。

これでもかというほど目を見開いているのが自分でもわかる。だって、え？この人達と、一緒に暮らす？まさか、自分達と関わったから、もううちには帰さないみたいな。そんな感じなのだろうか。だとしたらすごく困る。


「あ、あの、暮らすって、どういう…」


恐る恐る、未だ口論と言っていいのか分からないものを続けるうらたさんとセンラさんに聞いてみる。すると、2人はすぐに口を閉じて私の方を向いた。


「あー、そのまんまの意味やで」

「一応、人質っていう形だからな。しばらくここに居てもらう」


うらたさんとセンラさんの衝撃発言に、今度は目を剥く。本当に、一緒に暮らすのか…。心配しかないし、第一、あぁはいそうですかと受け入れられる内容じゃない。見ず知らずの男性複数、しかも犯罪者。これでも、年頃と言っては遅いかもしれないけど、いい歳だ。屋根の下一つというのは気が引ける。


「さっきうらたんが何処がいいって聞いたのは、Aちゃんの部屋の場所です」

「あ、そういう…じゃなくて！」


納得しかけて慌てて否定の言葉を口にする。だめだ、この人たちのペースに乗せられては。本当にここに住むことになってしまう。それは私が色々ともたない。何かここから出る方法…と頭を捻らせる間にも、勝手に4人の内で話しが始まっていた。


「何処がええんかな」

「あんま外から見えんとこやろ」

「でもそうすると日当たりが悪いですよ」

「Aに聞けばいいじゃん」


その会話を聞いていて、血の気が引く。私に拒否権は無いようだ。

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