こうなることは決まっていた (ページ41)

今日:7 hit、昨日:13 hit、合計:309,643 hit

41 ページ41

．

色とりどりに光るネオン

食べ物に服に装飾に雑貨の並ぶお店たち

それを背景に賑わいを見せる人々

あのフロアの窓からは想像出来なかった景色が目の前に広がっていた

JM「…久しぶりに来たけどかなり人が多いね」

ジミンオッパも思わず呟いてしまう程の人の多さ

JM「A、絶対に手離さないでね」

オッパの握る手が強くなる

私は黙って頷いた

それを見たオッパは笑顔になり

JM「じゃあ、行こうか」

優しく手を引かれ人混みの街へと歩き始める

…

JM「…本当に欲しいものないの？」

しばらく歩いたが店の前を通り過ぎるだけで何も強請らない私を見るオッパ

「見ているだけで充分です、こうやって外に出れただけでも嬉しいのに」

それは本音だ

こうやって賑わいのある景色を見ているだけで屋敷での辛さを忘れていられる

JM「…そっか、Aは欲が少ないんだね」

するとすぐ横の店に引っ張られる

JM「じゃあ、僕のしたいようにさせてね」

そこはアクセサリーのお店

中に入るなりショーケースにあるキラキラしたアクセサリーを眺め始めるオッパ

しばらく眺めてはお店の人と話すオッパの横でボーッとしているとあるアクセサリーが目に留まる

ネックレス

ヒロインの恋人オッパとお揃いでもらったネックレスを思い出す

いつも欠かさず着けていてソクジンオッパに初めて会った日も着けていたはずだった

でも屋敷で目を覚ますと無くなっていたのだ

落としたのか取られたのかわからず聞くことも出来ずにいた

JM「…A！」

名前を呼ばれハッとすると心配そうな顔をするジミンオッパ

JM「どうしたの？ボーッとして」

「…何でもないです」

流石にネックレスのことは言い出せず笑って誤魔化す

JM「そう？ならいいけど…」

しばらく沈黙が続くかと思ったが突然腕を引かれ手首に冷たい感覚がする

そこにはシルバーのストーンが光るブレスレット

驚いてジミンオッパを見ると同じものが着けられている

JM「へへ、お揃い」

照れたように笑うオッパ

それがヒロインの恋人オッパがネックレスをプレゼントしてくれた時と重なる

JM「僕はねAのことを守りたいんだ。ジニヒョンのこともこれから起こることも全て…これはその証、Aのこと誰よりも大切にするからね」

「…オッパ、ありがとうございます」

どちらにありがとう、と言ったのか自分でもよく分からなくなった
．