白髪の鬼【鬼滅の刃】 (ページ16)

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拾伍話．ページ16

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半天狗は屋敷内へと入っていく。
僕はその様子を近くの木の上から見守っていた。

そういや、玉壺の方は大丈夫だろうか。

まあここに鬼殺隊が集まっているらしいし、今頃里の人たちを喰っている頃か。一応上弦でもある彼だ、ある程度信頼しておこう。

｢…お、気配増えた。積怒と可楽が出てきたのかな？｣

気配は三つから四つに増えた。
恐らく半天狗が頚を斬られ、二人に分かれたのだろう。

｢…！！、ぅわわわわ飛ぶ飛ぶ！｣

いきなり大きく吹いた風。
僕は必死に木にしがみついた。
吹き飛んだ屋根と共に一人が風に乗せられ、遠くへと飛んで行く。

ちょっとやりすぎだよ可楽、僕も飛んでいきそうになったじゃないか！！

｢時透君！！！｣

｢……おや？｣

あの赤髪に耳飾り…額の痣…もしやもしや！
最早運命と言っても過言ではないなぁ！！

僕は木から飛び、一番上の瓦礫に立つ。

｢竈門炭治郎君じゃあないか！！！｣

｢…！？！？君はッ…洛弦の！！｣

｢うひゃー！覚えててくれたんだね久しぶり！！禰豆子ちゃんも元気そうでなによ｣

｢おい…弦楽、邪魔をしに来ただけならば即刻去れ｣

炭治郎と禰豆子に再会できたことに興奮していると、下から積怒が青筋を立てながら言ってくる。
名前なだけあってピリピリしてるね、彼。

｢せっかく再会を楽しんでたのにねぇ、炭治郎？

…ん？だれ、｣

｢君は俺たちの味方な……！！！

玄弥！！！｣

煙でよく見えないが、また一人鬼殺隊員がやってきたらしい。
発砲音がして、銃を使う鬼狩りなんだなと思う。珍しいね。

｢うーん、この状況どうしよう？まさか炭治郎がいるとはなぁ…半天狗に加勢するべきなんだろうけど…炭治郎いるし禰豆子ちゃんもいるしなぁ…｣

｢貴様！！さっさと加勢せんか！！！｣

｢……ぅ、え…でも…｣

また積怒に怒鳴られた。
僕はどうするべきなんだろう？炭治郎も禰豆子も大好き。でも半天狗も大切。
炭治郎をここで殺すか、半天狗を裏切るか…

頭がぐるぐるする。
どっちを…どっちをとる。

どち

ら

を

_____｢お前の好きなように生きなさい｣

｢……僕の、好きなよう…に……｣

かつて誰かが僕に放った言葉。

本来忌み嫌われるはずの鬼の僕に、心を教えてくれた世界でたった一人の人間の言葉。

はなから迷う必要なんて、なかったんだ。

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