【１期】弱虫姫★番外編【弱虫ペダル】

【文化祭編】キャットハント １９ ページ26

何でも金城先輩と田所先輩のクラスは水泳部や運動部の人が多いらしい。

この時期の水泳部は筋トレや走り込みが主になってくるらしく、プールは文化祭前に使用終了だということで、最後に文化祭の３日間を使ってから水を抜くことになっているという。

水泳部からしても文化祭後にクラスみんなでプール掃除した方が助かるというお話になって出し物が『これ』になったそう。

田所先輩の説明では、これはレーンごとに色が決まっていて、その色のレーンからスタートする選手は自分の色の足場しか使えない。

参加者はレースでどの色の選手が勝つのか予想して観戦するという競馬のようなゲーム。

ちなみに選手は水泳部や運動部のちょっとやそっとじゃ風邪をひかなさそうな生徒を選んでいるというけど、思いの他、出たいと立候補した生徒が多かったらしい。

体育会系のノリが強いクラスみたい･･･すごいね。




「えと、田所先輩と金城先輩は参加するのですか？」

「あ？俺は体がでかいからな。ああいうのは向かねぇよ。残念だがなぁ。その代わり金城が、ほれ」




田所先輩の親指の指す方を見ると、青い紙が貼ってあるレーンのスタート台に金城先輩が水着姿で青い水泳帽子を被って立っていた。

念の為なのか水泳部の人は水着だけど、他の部の人はハイネックの上半身も覆う水着を着ている。




「なんやぁ。主将さんも出るんかいな！ワイも出たい〜！」

「な、鳴子くん･･･」

「はははは。まあ、せっかく来たんだ！ゲームに参加していけよ」




田所先輩に案内されて受付でレース予想をする。

もちろん私は金城先輩の青色にした。

鳴子くんは何でも全力投球なため、水泳部の小柄で身軽そうな人を予想していた。


設置されたプール脇の並べられたパイプ椅子に座ると、驚いた顔をした金城先輩と目が合う。

頑張ってくださいと口パクで手を振ると、先輩は照れくさそうにしつつも小さく頷いてくれた。




「楽しみやなぁ！参加できたらもっと良かったんやけど」

「ふふ。鳴子くんが好きそうなゲームだよね」



いよいよスタートしますという声で、パーンと１つの風船が割られた。

一度水に落ちると乗り上げるのが大変らしく、みんな慎重に１枚目のパネルに乗ろうとしている。

勢いよく飛び出した選手は３枚目のパネルの端に乗ってしまってバランスを崩してプールにダイブしていた。


先輩はバランスを取りながら少しずつ飛び移っていてやっぱり何でも器用にこなすんだなぁと思った。

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