残骸 ページ5
『…！離して、』
「…何で」
『何で期待させたの』
『全部知ってるから』
『貴方が色んな女の人と関係を持っていることも』
『その彼女と私を重ねて笑っていることも』
「…確かにね、最初は」
『…？最初…？』
「最初は重ねてたんだ」
「もっと大事にしてあげればよかった」
「あの彼女と“奈津”を」
『…私なんか最初から最後まで見てなかったんだ』
「でも今は違う」
「君を…綺堂奈津を見てる」
『…！？』
「でも重ねれば重ねる程彼女じゃなくなって色んな人と関係を持った」
「全部、俺が悪い」
「ーごめん」
スルッ
下から鈍い音が聞こえる
「人が落ちた！」
「救急車！」
『…っあ…』
ーーーーーーーーー
「あっ、お祭り…17時にいつもんとこ集合な」
ーーーーーーーーー
「ーごめん」
『ああああ』
ごめん、ごめん、ごめん、ごめん、
ごめん、ごめん、ごめん、ごめん、
ごめん、ごめん、ごめん、ごめん、
“もっと大事にしてあげればよかった”
もう無理だ、無理です、無理だ、
「君を…綺堂奈津を見てる」
許して、許して、嗚呼、
「全部、俺が悪い」
許して、許して、嗚呼、
許して、
助けて、
神様
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作者名：104LOVE | 作成日時：2023年12月27日 14時
