小説 夏と罰“上”

壊したい ページ4

君を壊してやりたいと思った





そんな自分を恥じてもいだが





一度でいい、





聖人のような思想を歪めて、





醜い内面を抉り出してやるのだ





『行きたい所あるんだけど』





「ん？どこ？」





「何か凄いね、ここ」





『景色、綺麗でしょ』





「うん…今でも」





“シネル”ようなー





ー愛してしまった

　



駄目な人を





君は輝いているから人が寄ってくる





自分から寄る





彼女を“ジサツ”に追い込んでまでも女癖を直さない





私は知ってる





君が色んな女の人と関係を持っていること





だからこその、友達以上恋人以下だ





それでもそれでもそれでも





ー愛してしまった





私にココロを持たせた





私のココロを奪った





そんな貴方が





憎くて仕方ないわ





『…愛してた』





「…俺も」





「“愛してる”」





最後までその言葉を使うのね





「本当に君は“ジサツ”をした彼女とそっくりだ」





写真を見せてもらったけど、本当にそっくり





もういいわ





貴方の顔も性格も





全部潰してやる





『…死んで』





「…え？」





よくわからない音が脳を響かせる





『…っ』





見ろ！見ろ！見ろ！見ろ！





見ろ！見ろ！見ろ！見ろ！





今からお前を突き落とす





裏切りは隨分前から計画されていたこと





全てを知った君の顔に私は青すぎる空を見たい

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