. ページ8
夜が明けた。
部屋が薄明るくなって、私は、そばで眠っているその人の寝顔をつくづく眺めた。
…なんて、何処かは忘れたけれど、読んだことのある本の一文を抜き出してみたけれど、そばにはだれも眠っていない。
「A先輩！」
『あ………』
ユウくんだった。
周りを見渡すと、NRCの皆。
なんで、どうして、此処にいるの？
そんな疑問が頭を過る。
「A」
グリムの声だった。
────分かってしまった。
皆が此処にいるのは、わたしがユウくんに迷惑をかけたから。
わたしとユウくんは、同じ寮生。
とっても優しいユウくんは、きっと、わたしを心配してくれたんだろう。
ユウくんを心配させたわたしに、みんなは、多分怒ってる。
「A、」
『やっ、』
差し出されたリドルくんの手を、払った。
初めてのことだった。
怖かった。
…怖い？
そっか、これが怖いってことなんだ。
大切な人に、嫌われること。
それが、わたしにとって怖いこと。
『ごめ、ごめん、なさい。』
謝ったって、遅いのに。
わたしはもう、汚いのに。
醜くて、綺麗なユウくんとは大違いで、
みんなに、沢山迷惑かけて、
みんなの、大切なユウくんを心配させて、
みんなを、心の何処かで憎んで、
きたない、きたない、きたない。
なりたくなかった汚い人間に、なってしまった。
みんなにだけは、嫌われたなかったのに。
人は、嫌われるよりも忘れられることを恐れるって言うけど、わたしは、反対。
忘れられる方が、嫌われるよりもずっと、楽。
忘れられたら、新しく仲良く…なれるかどうかは分からないけど、頑張る。
でも、嫌われたら、もう、もどれない。
『ふ、ｯ………ｯ』
涙で視界が滲む。
泣いていいのはわたしじゃないのに。
「A」
誰の声か、分からない。
でも、大好きな人の声なのは、たしか。
────断罪の、じかん。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 612人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆうな(プロフ) - もう泣き泣きの泣きですよ！！！ほんとに感動しました。夢主ちゃんが幸せを掴めて本当に良かった、、 (2020年12月1日 4時) (
レス) id: 1fc8fa02db (このIDを非表示/違反報告)
ゆり - 裏夢はやくみたい！！ (2020年10月28日 15時) (レス) id: ea414cb9ae (このIDを非表示/違反報告)
re：アガサ・クリスティ(プロフ) - ホ別いちごさん» わかりみがマリアナ海溝 (2020年9月19日 12時) (レス) id: 285fa6164a (このIDを非表示/違反報告)
ホ別いちご(プロフ) - レスありがとうございます！わかりますわかりますわかりますほんとあの子えちえちですよねかわいいしほんと罪ですよね！！！← でもこの作品の夢主ちゃんも水葉ちゃんも大切な人のためならどんなことでもしちゃう、本当は一途でとってもいい子な所が大好きです、、、！ (2020年9月19日 12時) (レス) id: 0497385087 (このIDを非表示/違反報告)
re：アガサ・クリスティ(プロフ) - ホ別いちごさん» 事情Fランクですね！？水葉ちゃんをご存知の方…！？私も大好きなんですあの子！倫理観欠けまくってるえちちな所とか！！← (2020年9月19日 12時) (レス) id: 285fa6164a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
