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「行ってらっしゃい、A」
『行って、きます。』
お母さんは、私に笑顔を向けてくれるようになった。
シエルの代わり。
でも、それでいい。お母さんが笑顔なら。
「満点、A・クラウンさん。」
『はい。』
「Aさんまた一番！」
100点を取れば、クラスメイトが。
「Aさん今日も可愛い…！」
「美人で可愛くて何でもできる…まさに高嶺の花だわー」
歩けば、見知らぬ誰かが。
一種のパラダイムシフトを味わった。
前、わたしをできない方のクラウンだと罵った人達も、今ではすっかりわたしに夢中だった。
『手伝う。一人じゃ、たいへん。』
「ありがとう！」
『辛かった、ね。』
「ｯ…！」
誰にも角が立たないように、
「自慢の娘よ、A」
『嬉しい。』
他人が望むことを、全てやった。
これは演技。
舞台は学校と家とその他。
演技終了は死ぬまで。
自分さえも偽るなんて、簡単でしょ？
「そうすることでしか、生きれなかったんですね…」
アズールが、悲惨なAの生い立ちに涙ぐんだ。
『着替え…。』
「ありがとう」
お母さんは入院した。
もう、治らないらしい。
「自慢の娘よ、シエル」
『……え？』
「偉い、とても素晴らしいわ。
あの子は…Aのことは事故だったの。
貴方が責任を感じる必要はないし、運が悪かっただけ。貴方が、シエルが生きているのなら、それで十分。」
『違う、違うよお母さん。わたしは、』
「毎日楽しいかしら、シエル？」
何度も妹の名前を呼ぶお母さん。
違う、わたしはシエルじゃない。
わたしは、
『わたしは、』
「大好きよ、シエル。」
慈愛の浮かんだ瞳。
まっすぐと私を見ているのに、その瞳に私は映っていない。シエルと同じ、海と同じ真っ青な色。
「ねぇ、」
お母さんの手が、私の頬を包む。
シエルと言わなかった。
わたしの名前を呼んでくれるかもしれないと、期待した。
「愛してるわ、シエル。」
額に落とされた口づけ。
それはずっと欲しかった。でも、ずっと手に入れないと思っていた。
最後に呼ばれたのは、妹の名前。
お母さんが見ていたのは、最初から
『シエルの、面影。』
涙がこぼれた。
だめ、だめ、こんなのだめ。
『やっと、解放してくれた。』
嬉しすぎた。
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ゆうな(プロフ) - もう泣き泣きの泣きですよ！！！ほんとに感動しました。夢主ちゃんが幸せを掴めて本当に良かった、、 (2020年12月1日 4時) (
レス) id: 1fc8fa02db (このIDを非表示/違反報告)
ゆり - 裏夢はやくみたい！！ (2020年10月28日 15時) (レス) id: ea414cb9ae (このIDを非表示/違反報告)
re：アガサ・クリスティ(プロフ) - ホ別いちごさん» わかりみがマリアナ海溝 (2020年9月19日 12時) (レス) id: 285fa6164a (このIDを非表示/違反報告)
ホ別いちご(プロフ) - レスありがとうございます！わかりますわかりますわかりますほんとあの子えちえちですよねかわいいしほんと罪ですよね！！！← でもこの作品の夢主ちゃんも水葉ちゃんも大切な人のためならどんなことでもしちゃう、本当は一途でとってもいい子な所が大好きです、、、！ (2020年9月19日 12時) (レス) id: 0497385087 (このIDを非表示/違反報告)
re：アガサ・クリスティ(プロフ) - ホ別いちごさん» 事情Fランクですね！？水葉ちゃんをご存知の方…！？私も大好きなんですあの子！倫理観欠けまくってるえちちな所とか！！← (2020年9月19日 12時) (レス) id: 285fa6164a (このIDを非表示/違反報告)
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