立場逆転【ツイステ】

.　ゆっぴ様リク ページ37

『……怠い、佐々木です、ささ、き…』


ぐらっ、と体が傾いた。立とうとしているのにできなくて、そのまま床に蹲ってしまう。


『暑い…です?佐々木はいつも元気100%のモブで、佐々木は…』


「A?どうかしたのか?」


『いえ、大丈夫ですグリムさん……やっぱり頭が痛いので誰か呼んできてくれません?佐々木です』


「もう、Aちゃんって本当に迷惑しか掛けないんだから!体調管理くらいちゃんとしておいてよ!誰が授業のノートとるの!」


(((お前がやれよ。)))
読者全員の心の声がリンクした瞬間である。
そしてこのヒロイン(笑)……いや、最早ヒロインもどきですらないな、ただのクズだな。兎に角この女は、勉強ができないのである。あと字が汚i……おさな…いや汚い(二回目)。


『熱出したのは昨日も遅くまで洗濯物してたからです、佐々木です…ユウさんが「きゃっ!いったぁい」なんて言いながら夜の散歩中に転けなければもっと早く寝れてました…と、主張した…ｹﾞﾎｯ』


「むぅ、意地悪!別にいいじゃない!Aちゃんは私と違って監督生って立場もなくて、ただの雑用係何だから、私のお世話するのは当たり前だもん!」


『お世話と言うか…ｹﾞﾎｯ…殆んど召し使い扱いになってる気が…ｺﾞﾎｯ…料理も洗濯も掃除も、ユウさんに回された仕事もあと課題も全て佐々木がやっますし…ｹﾞﾎｯｺﾞﾎｯ』


「私の方が頭良いんだから仕方ないじゃん!課題も二人分やればAちゃんもそれなりの頭になるんじゃないの?」


『流石にカッチーンときたので佐々木はもう二度とユウさんの課題を手伝いません、佐々木です。洗濯と料理と掃除は仕事なのでしますが課題は二度と手伝わないので悪しからず……グリムさんまだですか』


「ッ〜〜〜!!!Aちゃんのばかっ!私が皆に虐められたって言いふらしちゃえばAちゃんの居場所なんて一発でなくなるんだから!今日が最後のサンバイザーになるんだから!」


『……もしかして、最後の晩餐って言いたかったんですか?……ｹﾞﾎｯｹﾞﾎｯ』


えーんと泣きながら駆けていく(遅い)ユウをチラリと見て、そのまま目を閉じる。
ああ、兄さんが川を挟んで満面の笑みで手を振っている気がします、佐々木です…。


『佐々木も今すぐそっちに逝きま……ってこれ渡っちゃダメなやつですよね!?正常な判断ができるようになった途端想像上の兄さんが舌打ちした気がするのも気のせいですよね!?』


危うく三途の川を渡りかけた佐々木。

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