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『ただいま帰りましたー。』

 重たい袋を両手で抱えながら、大きな声で叫んだ。

 お出迎えに来てくれたのか、杏とライムが尻尾を振りながら走ってきた。

 赤井さんには、お世話係のような人がいる。

 名を、西鉄(さいてつ)という。

 西鉄は、赤井さんが私を拾って育ててくれた後に、家に来た。

 『西鉄様。ただいま帰りました。』

 「おかえりなさいませ、楓ちゃん。」

 最初の頃は、様付けで呼ばれていたが、流石に西鉄の方が立場が上だ。

 継承は省いてほしい。

 『西鉄様。赤井さんが、お風呂に入りたいと言っていますが……』

 「そうですか。分かりました。」

 私は一礼だけして、その場を離れた。

 『赤井さん。西鉄様が、お風呂の用意ができたとおっしゃっていましたが……』

 「わかった。ご苦労。」

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作者名:妖狼 | 作成日時:2021年7月26日 17時

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