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「ふっ。相変わらずだな」

 そう耳元で囁かれた私は、背筋が凍りつくぐらいゾワゾワした。

 とっさに、顔が引きつった。

 そんな私の顔を見るなり、笑いだした。

 睨んでくるわけでも、起こってくるわでもない。

 ただ……

 「その顔、久しぶりに見たな。」

 しみじみとした顔で見てくる。

 コイツ……

 そんなやり取りをしていると、後ろにいたおばちゃんが睨んできた。

 はぁぁぁー

 だから言ったのに。

 私と赤井さんが一緒に行くと、必ず誰かににらまれる。

 嫉妬心だろう。

 この男のことは、嫌いではない。

 ただ、世話がかかる。

 小さい頃は、良いところのお坊ちゃんだったらしいし……

 なぜこんなことになったのか、そんな事は恐ろしくて聞けない。

 『それより、さっさと買い物終わらせましょう。』

 そう言ったら、赤井さんの顔が曇った。

 「なんかさっきから、俺から逃げようとしてないか?」

 『いえ……そんなことは……』

 この男は、人の考えることを当ててくるから大変だなぁ。

 はぁぁぁー

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作者名:妖狼 | 作成日時:2021年7月26日 17時

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