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誰だよこんな忙しいときに、呼び止めてくるのは……そう思いながら、振り返ると……

 赤井さんがいた。

 さっき家で、挨拶をしただろう。

 『何かようですか?』

 「いや……心配になって……」

 はっ?

 思わず、そう言ってしまった。

 『学校に遅刻してしまうので失礼します。』

 「あぁ」

 一礼だけして、もう一度走り出した。

 何だったんだ?

 疑問しか残らない。

 赤井さんは、散々人を殺しているのに今更心配なんて言う感情があるのだろうか。

 はぁぁぁー

 やっぱりため息をつくしかないな。


 キーンコーンカーンコーン


 チャイムがなった。

 ギリギリセーフで校門をくぐった。

 バタバタしていたせいか、額には汗をかいていた。

 学校ってなんでこんなに面倒なんだろうなぁ……

 そんなのんきなことを考えているときに限って、名前を呼ばれる。

 先生の話なんて聞いているわけがないので、当てられてもわからない。

 どうしようかなぁ。

 一瞬迷ったが、正直に言うことにした。

 『すいません。よく聞いていませんでした。』

 

 

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作者名:妖狼 | 作成日時:2021年7月26日 17時

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