NCTの女神 II (ページ27)

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「………」

一回聴こえてしまうと、どうしても気になってしまう性格の自分。
今手元にあるジャケットを渡してあげるか否かを頭の中で思考を巡らす。

もう一度チラリとさっきの席を見ると、ブランケットを持っていない子はなんとも短いスカートを履いていた。

あんなの色んな意味でダメだよなあ、

そう思うのと同じくらいのタイミングで私の腰は椅子から離れていた。

「ちょっと、Aどこ行くの？」

「ん？ちょっとした人助け」

疑問を浮かべたテヨンイヒョンに、少し微笑んで歩き出す。

うわ、緊張する。

普段他のグループの方と話す機会なんて全くを持って無いから、自分の脈が早まっているのに心の中で少し笑ってしまう。

「あの、これどうぞ。」

「え、…」

座っている彼女の膝にゆっくりと自分のジャケットを被せながら話しかけると、大層驚いたように顔を上げる。

彼女の目の上に惜しみなく乗せられたアイシャドウのラメがきらきらと反射していて綺麗。

「良ければ使って下さい。」

「え、だ、大丈夫です！」

「すみません、さっき後ろで聞いてて…、ブランケットないんですよね？使い終わったら近くのスタッフさんに渡して頂ければいいので」

安心させるように微笑むと、目の前の彼女が少し嬉しそうにすみません、ありがとうございます。と呟く。

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