NCTの女神 (ページ41)

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『なによりも人の好意な言葉をひねくれた気持ちで解釈しちゃうのが本当に自分汚れてるなあ、って思うと尚更』

『……A姐もそんな経験あるんだね。』

『もちろん』

はっきりと言い切ったヌナは未だに僕から流れる涙をもう一度拭って僕の頭を優しく撫でた。

『ドリムの次男は、本人が思ってるよりもずっとずっと、たくさんうまくやってると思うけどな。』

『、え…』

『私がインジュンの年齢の時は、何も考えてなくて、SMに入るかどうかも曖昧だったし何もかも中途半端で、本当にろくでもないやつだったんだけどさ』

『インジュンはすごいや、アイドルやってて。毎日ダンスの練習して歌の練習もして、カムバ活動もして。』

言ってることは良くある元気付ける言葉を並べているだけなのに、妙に心にすとんと落ちてくるのはヌナが言ってるからなのだろうか。

『インジュン、良く頑張ってるね。お疲れ様。』

いや違う。ヌナが言っているからでもなく、ありきたりなのにありきたりに聞こえないのは、紛れもなく、僕がかけて欲しかった言葉だからだ。

ただ、頑張ってるね、上手だねって言われたかっただけ。それだけでよかったんだ。

そう気づいた瞬間、落ち着きかけていた涙がとめどなく溢れて床を濡らしていく。
ヌナに泣き顔を見られたくなくてずっと下を向いて泣いていると、体に重みを感じたのと同時にヌナの香りいっぱいに包まれて抱きしめられているんだと分かった。

『よしよし、えらいね。』

『、…ひっ、く……、』

ヌナの優しい声が、温もりが、香りが、全てが涙を誘う。なぜだかわからないけど、安心感がある。

涙は当分、止まらないみたいだ。

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