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目の前に広がるのは無数の黄緑の光。
目に焼き付けるように端から端まで見回す。隣を見ると悠太くんの横顔。悠太くんもまた、何を思っているのか会場を見渡している。揺れる光に照らされた横顔かとても綺麗。
隣のジョンウの最後のコメントが終わり、ちらりとジョンウががこちらを向く。
目があって少し微笑んでから持っていたマイクを口に近づけた。
「おー……わー…改めて見ても、この景色は綺麗ですね、本当に。」
目を細めるとより一層揺れる光。
正直話したいことは沢山ある。あるけど、息切れではないこの胸の高鳴りのせいで、話したいことが喉まで出てきては消えていく。
「んー……実は話したいことは山ほどあるんですが…笑」
言ってーー！！と客席から聞こえる声に、少し微笑んでじゃあ２時間くらい時間ください笑というと会場が笑いに包まれた。
「んー……まずは、この冷たい世界で、私の光になってくださって本当に感謝してます。」
「デビューして３年間、練習生の期間も含めると５年ですかね。わーこう聞くとこの５年間あっという間だったなあ…笑」
「おー……この５年間、デビューする前もデビューした後も、後ろを振り向くこともなくただひたすら前だけを見て走ってきました。」
「だからこそ、こうやって今日みたいにステージの上に立って眩しいライトを浴びるたび、今までやってきたことが実は間違っていたんじゃないかと思うと、途端に目の前の暗闇がどんどん深くなっていくような気がして、ものすごく怖かったです」
「それに、普通の女の子としての生活にもすごく憧れてました正直笑かわいいスカートを着て、女の子らしいメイクもして、友達と美味しいものを食べたり楽しいとこに行ったり…
SMに入った時、普通の女の子としての生活ができないことは覚悟の上で入ったんですが、現実が思ったよりもつらくて…そう思わずにはいられませんでした」
隣でジョンウが泣いてるのが見える。私のために泣いてくれてるんだろうか。だとしたら後で抱きしめてあげなきゃ。
「私は唯一の女だから、何かといい意味でも悪い意味でも注目されるし、周りの風当たりはすごく強いし、沢山後ろ指をさされてきたし、どこの誰かも知らない人に心ない言葉だって数え切れないほど言われて来て、……だけど、」
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作者名：久遠 | 作成日時：2021年8月31日 1時
