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「お、ジャニや誕生日おめでとう。」




「ありがとうユタ。」



悠太くんがジャニヒョンに言うといつもの柔らかい顔と声で悠太くんにハグをする。
後でプレゼント渡しに行くから待ってて、と一言添えた悠太くんは、私に意味深な目線を残して去っていった。
背を向けていたヒョンがそれで?と言いながら振り向いたかと思えば、視線は私の手にある花に移った。





《それは、俺の花…だよね?》




《あ、…うん。》




《ふふ、まさかこのタイミングで見ると思ってなかった。》




《それは私も思った…こんなとこでバレると思ってなかったし》




《まあ、今のは見なかったことにしてあげるよ。》




《……そうしてくれるとありがたい…》





《こんなとこで渡されるのもセンスなさすぎるからさ、》





俺の部屋まで届けにおいで、
溶けるような優しい顔と声で言ったジャニヒョンはいつでも待ってるから、と添えて部屋へ戻っていった。





……え、今渡してもいいタイミングだったよね?改めて渡させるの?もうバレてるんだけど?恥ずかしすぎない?今渡させてよ…!




手に花を持ったまま呆然と立っていると、今度は違う足音がして振り返る。





「あれれ、A」




「テヨンイヒョン、」




キッチンから出てきたテヨンイヒョンの手にはマグカップが握られている。香りからしてコーヒーだろうか




「どしたの、こんなとこに突っ立って。リビング寒いでしょ」




「それが、ジャニヒョンに」




「ジャニ?」





ジャニがどうしたの?と近づいてきたヒョンは私が手に持っている花を見ると、わーこれジャニへの誕生日プレゼント?綺麗だねえ、と呟く。




「本当は、バレないように持ってって渡すつもりだったんですけど……アクシデントが」




「なるほど、バレちゃったのか。」




「そうなんです……でもヒョンに、こんなとこで渡されるのはナンセンスだから俺の部屋まで届けにおいでって言われて…なんか、バレた後に行くの……」




「なにそれ、恥ずかしすぎない?笑」









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作者名:久遠 | 作成日時:2021年8月31日 1時

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