ｿﾉ55 ページ20
言う、そう決意した。
私は1つ小さな溜息をつくと、あの時のことを思い出しながら口を開く。
｢えっと…昼休み、水鳥と茜といたら知らない男の人から電話がかかってきて…、それで……｣
｢知らない男の人…
…なんて言われたんだ？｣
｢え…と………｣
…なぜか、声を出そうとしても、自分の体が拒否しているのか、続き…一番大事な事を言うことができない。
口を開いても何の音も発する事が出来ず、次第に体が震えだす。
自分の体温が下がっていく感覚に襲われる。
う…
気持ち、悪い。
｢…おい、大丈夫か？｣
私の様子がおかしいと感じたのか霧野は私の顔をのぞき込む。
そして、ハッとした顔をすると私の背中に手を当ててさすってくれた。
彼なりに配慮してくれたんだなって思うと、それだけで気が楽になる気がした。
…実際はそんな良くはならなかったけど。
｢言いたくないなら言わなくていい。
だからとりあえず落ち着け。｣
｢……ううん…大丈夫。
でも…｣
私はそっと霧野の顔を見る。
霧野も真剣な、そして心配そうな顔で私の目を見ている。
｢大丈夫か？｣
｢…うん…。大丈夫。｣
…ダメだ。ちゃんと、言わなきゃ。
聞いてくれる人がいるんだから…
私は、不安を打ち消すようにひとつ大きな深呼吸をして
何とか声を絞り出す。
｢…私の事が、ネットに書き込まれてて、
そこに、身体の関係持てる人…探してる…って
書かれてた…んだって。
それを見たから、私に電話、かけてきたって…
…っ…!｣
突然私を襲うとてつもない気分の悪さ。
思い出しただけで…、吐き気がする。
恐怖が私の心と体を取り巻いて、思わず下を向いて手で顔を覆う。
｢…っ！なんだそれ…！！
…おい、A大丈夫か！？｣
倒れるように傾く私の体を霧野が支え、グッと霧野の方に引き寄せられる。
やっと言えた…。
それだけで、気持ちは楽になったはずなのに
…どうしても、体を起こすことが出来なくて。
しばらく、このままで時間は過ぎていった。
続く (更新停止中)
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東堂 莉愛 - 更新がんばー！こんな 小説かけるなんて！ 羨ましいー！ 私も小説書いてるんでーす！ (2015年6月7日 10時) (
レス) id: d454bba793 (このIDを非表示/違反報告)
ひな - 私の求めてた小説！！書いてくれてありがとうございます(*^^*)更新待ってます 無理せず頑張ってください！ (2015年5月13日 22時) (レス) id: dc1c39bc0d (このIDを非表示/違反報告)
ハノン(プロフ) - 続きが楽しみです！更新頑張ってください☆ (2015年5月4日 19時) (レス) id: dbb9de5c35 (このIDを非表示/違反報告)
ななか - 面白いですね！これからも応援しています！がんばってください (2014年12月23日 14時) (レス) id: 7bcb8456c0 (このIDを非表示/違反報告)
蘭羽 - 霧野かすごいかっこいいです！！更新頑張ってください！応援してます！更新待ってます！ (2014年10月23日 5時) (レス) id: 7d4569a410 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：竹乃 | 作成日時：2014年8月27日 23時
