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A「楽しかった〜」







観覧車を出ようとした私に









「誰とも来てないから心配すんな」









ジン君の手が優しく私の頭をポンポンと撫でて


さみぃ〜なんていいながら外に出て行くジン君





なんでもお見通しなんだもん。



寂しい時泣きそうになった


私をすぐ笑顔にできるのも


ジン君にしかできないんだよ。


期待したらダメだって分かってるのにな。









観覧車が終わってからも


またどこも言わずに歩き出すジン君の後ろを


なんにも言わず着いてく。








人が多いからバレないようにしなきゃと

ジン君の後ろを小走りで歩いてると









「「あれ?ジン君じゃん?」」









男女数人に声をかけられるジン君


え?バレた?やばいと思っていたら


していたマスクを取って仲よさそうに

話しているジン君がいて

あ、知り合いなんだと言う事に気づかされる。









『なにしてたんすか?』


「犬の散歩」


『いやw犬いなけど』


「え?いんじゃんあそこ」



私のことを指差しながら言うジンくん




犬?え?わたし?なんて思っていると




「ポチ!挨拶は?」といわれて



急いで頭をぺこっと下げる。








「ちゃんとしつけできてるでしょ?」



ジン君の言葉にみんなが笑っていて




「じゃあ、まだ散歩の途中だから」と言って


歩き出すジン君の後ろを



追いかけるように着いて行く。









後ろから『ほんとだ、犬みてー』と

みんなが笑っていたけど

ジン君の歩くスピードが早くて

着いて行くのに必死だった。







A「ねぇ、歩くの早いから」



私がジン君の服の袖をつかむと









「リードつけてないからね」









A「なら、リードつけてよ犬なんだから」


息をきらしながらジン君に言ったけど


どーせ放し飼いだからリードなんか


いらないだの言うんでしょ?










私の言葉を聞いたジン君が








ポッケにつっこんでた左手を出して









「リードつける?」









その言葉を聞いて首を横に振る自分なんかいなくて


ジン君の左手に自分の右手を重ねるとその手を


自分のポッケに戻してまた、歩き出すジン君。









歩幅が大きくても繋がれたリードがあるから


彼の歩幅に合わせられる。


繋がれた手はあったかくて


ずっとこのままがいいな、なんておもった。








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作者名:P | 作成日時:2018年1月11日 7時

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